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古物商
「古物商〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古物商の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「食魔」より 著者:岡本かの子
最後に気に入りの蒐集品で部屋の中を飾った。それでも狭い部屋の中は一ぱいで猶太人の
古物商の小店ほどはあった。 彼はその部屋の中に彼が用いつけの天蓋附のベッドを据....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
て、歩かなければならなくなった。 鑑札が、正面の柱にかかっていたが、それには「
古物商」と書いてあった。古い物なら、何んでも買うのである。父は、着物の外に、金物....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
各流の家元は衰微の極に達し、こんなものは将来廃絶されるにきまっているというので、
古物商は一寸四方何両という装束を焼いて灰にして、その灰の中から水銀法によって金分....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
日飾窓をのぞきこんだが、金貨の割れたのを、れいれいしく飾ってあった、あのがらくた
古物商だ。 あの家の主人が殺されたんだな。それを分っていれば、もっとよく顔を見....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
れでも町を去ることができなかった。彼女に道具を、しかも随分ひどい道具を売りつけた
古物商は、彼女に言っていた、「もしお前が逃げだしたら泥坊だとして捕縛してもらうだ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
したことであろう。一八四五年の九月にはなお残っていた。ボーマルシェー大通りのある
古物商の店に売り物に出ていた。
このお婆さんは、外部からの訪問を受けるのを好ま....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
クールと腕を組み合って歩くであろう。骨董商《こっとうしょう》ダマジプスはパリーの
古物商人のうちに納まり返るであろう。アゴラ(アテネの要塞《ようさい》)はディドロ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
文書の証拠に次いで、こんどは具体的な事実が現われ始めた。
ポパンクール街のある
古物商の店で、戸棚の引き出しから、皆同じように縦に四つに折られた七枚の灰色の紙が....
「金の目銀の目」より 著者:豊島与志雄
行って、そしてわけを聞きました。 メーソフさんというのは、年とったロシア人で、
古物商《こぶつしょう》をやっているのです。その店にあやしい馬車《ばしゃ》が一つあ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
いた。が、刑部には商売があって、単なる信者ではなかったそうである。商売というのは
古物商で、特に異国の珍器などを、蒐集していたということである。で、好奇の富豪連や....
「染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
「よしこの辺から探してやろう」 「ごめんよ」といって這入ったのは、店附の立派な
古物商。 「へい、いらっしゃい」と小僧の挨拶、そんなものへは返辞もせず、ズンズン....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
勘兵衛や武士を殺した者は? あやめがあの独楽を手に入れたのは、浪速高津の
古物商からであった。それも孕独楽一揃いとして、普通に買入れたのに過ぎなかった。そ....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
予と懇親を結びたり。覚めて後、深くこれを考うるに、その秋水の閃々たるは、前々日、
古物商の買い出しに来たるあり。戸を破りたるは、前日ある家に遊びしに、その家の馬逸....
「貧乏線に終始して」より 著者:小川未明
に悩んでいる者が、それを受け出すということは、永久にできないからでした。 次に
古物商というようなものです。何品によらず私達が困って売る時には、買った時分の価格....
「雨」より 著者:織田作之助
、故買の嫌疑ならお君よりむしろ安二郎に掛かるのが当然であったと疑い、調べてみると
古物商の届けはお君の名儀になっていたのだった。豹一は、それに何か安二郎のからくり....