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古狸
「古狸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古狸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
ると恟《びっく》りしました。其処《そこ》に倒れて居たのは幾百年と星霜を経ましたる
古狸であった。お若が伊之助を恋しい恋しいと慕うて居た情《じょう》を悟り、
古狸が伊....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
二 「どうも朝夕はめっきり冷たくなりました」 八州廻りの目あかしの中でも
古狸の名を取っている常陸《ひたち》屋の長次郎が代官屋敷の門をくぐって、代官の手附....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
なみに歴史的惰性と外交的駆引によって、自分の領土を保持しているところの老獪極まる
古狸でございます。二十世紀の前半期は英帝国の崩壊史だろうと私どもも言っておったの....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
れを聞いて、法師も怒った。かれは声を※しゅうして家内へ跳り込むと、父は忽ち大きい
古狸に変じて床下へ逃げ隠れたので、兄弟はおどろきながらも追いつめて、遂に生け捕っ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
なくてはならない」 「はあ、なるほど」 あんまりはっきりした話なので、さすがの
古狸のテイイ事務長も、かんたんな返事しかいえなかった。 「わしがこんど持ってきた....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
見越、河太郎、獺に、海坊主、天守におさかべ、化猫は赤手拭、篠田に葛の葉、野干平、
古狸の腹鼓、ポコポン、ポコポン、コリャ、ポンポコポン、笛に雨を呼び、酒買小僧、鉄....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
で、その答も待たずに、口を開けようとするのである。 なかなかもって、どうして
古狸の老武者が、そんな事で行くものか。 「これは堅い、堅い。」 「巌丈な金具じゃ....
「糸くず」より 著者:国木田独歩
の裏を返して見せて何にももっておらぬことを証明した。 かれらは叫んだ、 『何だ
古狸!』 そこでかれはだれもかれを信ずるものがないのに失望してますます怒り、憤....
「九段」より 著者:坂口安吾
、誰しもクサルのが当り前だ。ましてや初陣そうそうのことである。ところがこの若者は
古狸でも三四年は寝込むようなきびしい悪評の中で、冷静に、動揺することなく、またし....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ど激烈で狂的な独裁者は日本の史上では類が少いように思われる。 徳川家康は温厚な
古狸のように考えられているが、彼の側近の記録によると、自分に不利なことが起ると、....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
四 洞斎老人は、語り次いだ。 「およそ古今武将の中で、徳川家康という
古狸位、銭勘定の高い奴は無いとじゃった。欲ばかり突張っていたその為に、天下も金で....
「支那の狸汁」より 著者:佐藤垢石
晋の時代である。燕の恵王の陵の近所に千年をへた
古狸が棲んでいた。千年も寿命を保ったのであるから、神通力の奥義に達し、変化の術は....
「しゃもじ(杓子)」より 著者:佐藤垢石
祖父が、若いとき祖父からきいた話であるとしてみれば、殿田用水の狸はよほど劫をへた
古狸に違いない。 漢書幽明録に、こんなことが記してある。漢の董仲舒が、ある日窓....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
斯く斯くと語ったのであるが、貴公が四十数年前、桑畑の間で胆を潰したあのしゃもじの
古狸めか、それとも子狸が親から相伝した変化術か。 はからずも老友と回顧談に耽り....
「真珠の首飾り」より 著者:神西清
とお通りください、お話ししますから。」 家内は僕に耳うちして、 「てっきりあの
古狸のやつに一杯くわされたんだわ。」 僕はこたえて、 「おれの知った事じゃない....