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古茶
「古茶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古茶の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猫の踊」より 著者:田中貢太郎
痕が数多《たくさん》残っていた。 備後は家へ帰って怪獣の話をして、持って帰った
古茶釜の蓋を出した。それはその日に見えなくなった己の家の茶釜の蓋であった。其処で....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
。時節がらの新茶は香は高くとも、年老いた人のためには灰汁が強すぎる。彼女はそれに
古茶をすこし混ぜ入れて来たと言って見せるほど、注意深くもあった。 「あなた、横に....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
鉄瓶のふたを取って水をさすことも、煎茶茶碗なぞをそこへ取り出すことも、寺で製した
古茶を入れて慇懃に客をもてなすことも、和尚はそれを細心な注意でやった。娑婆に生涯....
「足迹」より 著者:徳田秋声
るがいい。あすこには子供がないで、そのくらいのことをするが当然だ。」 するうち
古茶箪笥の上の方にかかっている時計が五時を打った。お庄は何だか気が進まなかった。....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
は、そのお悦の袖の下にあった、円い、白い、法然頭である。この老人は、黒光りのする
古茶棚と長火鉢の隅をとって、そこへ、一人で膳を構えて、こつねんと前刻から一人で、....
「教育の目的」より 著者:新渡戸稲造
う飾りの人物だから、一ヶ年三万円くらいの俸給を遣っても安いものだ。日本では利休の
古茶碗を五千円、六千円というような金を出して買求め、これを装飾にしているものがあ....