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古衣
「古衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
の岳は零になるであろう、その石だ、老人の皺のように山の膚に筋を漲らせているのも、
古衣の襞のように、スレスレに切れたり、ボロボロに崩れたりしているのも、この石だ、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ますよくしゃべり立てた。
「エーグル・ド・モー、手をおろせ。アルタクセルクセスの
古衣を拒むヒポクラテスのようなまねをしたって、僕は何とも思やしない。僕は君のため....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
れはコゼットの室《へや》の中においてだった。コゼットは修道院の寄宿生徒だった時の
古衣がかかってる衣服部屋の衣桁《いこう》の方へふり向いた。
「あの着物!」と彼女....
「崖下の池」より 著者:豊島与志雄
、蚕豆の花が咲きそめ、いろんな菜っ葉が伸びだして、つまり、大地の肌が薄汚い人家の
古衣を脱ぎすてて真裸となり、春の息吹きをすることが出来るようになりますと、池も水....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
の隣りの八畳にこの「祖父さん」と寝るのであった。叔母はこの舅にもよく仕えた。店は
古衣商で、乏しい品物が並べられ、屋根看板もなく、店頭には
古衣の半纏股引とがぶら下....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ていたんですからね。だが、酔いも消しとんじまいました。自分の金じゃなし、しがない
古衣商、それもお客からあずかった金でした、どうやって返そうかと思うと気が滅入るば....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
形の立派さでは第一であります。鼻緒は好んで馬の毛を組みます。 「裂織」といって、
古衣を裂いて織り込む厚い布があります。廃れ物のよい利用で、見違えるように甦ってき....
「頸の上のアンナ」より 著者:神西清
もさる高貴の家の家庭教師をしていたのであった。) で、アーニャも母親と同様に、
古衣裳を見違えるように新しく仕立て直したり、手袋をベンジンで洗ったり、宝石の賃借....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ている。 系図の途中に不明な人がいたほどだから、公卿としても、きわめて栄のない
古衣冠を伝えてきた低位の公卿にすぎまい。 けれど、夢を売った女の、北条時政のむ....