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「古郷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

古郷の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
凧の話」より 著者:淡島寒月
去来 葛飾や江戸を離れぬ凧 其角 美しき凧あがりけり乞食小屋 一茶 物の名の鮹や古郷のいかのぼり 宗因 糸つける人と遊ぶや凧 嵐雪 今の列子糸わく重し人形凧 尺....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
縁から突落されて、) と衝と投げ上げて、トンと落して、高くついた。 待てよ。古郷の涅槃会には、膚に抱き、袂に捧げて、町方の娘たち、一人が三ツ二ツ手毬を携え、....
雛がたり」より 著者:泉鏡花
小座敷に、また五壇の雛がある。不思議や、蒔絵の車、雛たちも、それこそ寸分違わない古郷のそれに似た、と思わず伸上りながら、ふと心づくと、前の雛壇におわするのが、い....
武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
の、東夷の為に囚はれて、此の宿に付き給ひしに、「東路の、丹生の小屋のいぶせきに、古郷如何に恋しかるらん」と、長者の女がよみたりし、其の古へのあはれまでも、思ひ残....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
下りて、あまのりや生ひたると尋ぬれば、あやまりてや見るらん、芹のみ茂りふしたり。古郷の事、はるかに思ひ忘れて候ひつるに、今此のあまのりを見候て、よし無き心おもひ....
「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
三位の中将維盛卿は体は八島にあっても心は都の方へ許り通って居た。そしてどうかして古郷にとどめて置いた小さい児供達も見もし顔を見せたいものだと思って居られたけれ共....
六号室」より 著者:瀬沼夏葉
は母の給養にも供せねばならず、彼は遂にこの生活には堪え切れず、断然大学を去って、古郷に帰った。そうして程なく或人の世話で郡立学校の教師となったが、それも暫時、同....
アイヌ宗教成立の史的背景」より 著者:知里真志保
和悪しく難儀せしに、この時すすめし事ありて、執行せしに、忽ちに、よき追風を得て、古郷へ帰りしと聞く。この時、自然と追風を得て然るにや、但し又、件の事をとり行いし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、養軒子も、ようやく面の色が変ってきました。 「扨《さて》はそらごとにあらじ、古郷《ふるさと》を出て三百里に及べば、かかる奇異のことにも逢ふ事ぞ、さらば宿り求....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
あたしの古郷《ふるさと》のおとめといえば、江戸の面影と、香《か》を、いくらか残した時代の....
今戸心中」より 著者:広津柳浪
て口を開いた。 「私しゃ気の毒でたまらない。実に察しる。これで、平田も心残りなく古郷《くに》へ帰れる。私も心配した甲斐《かい》があるというものだ。実にありがたか....
芭蕉について」より 著者:宮本百合子
み出した。それが、 野ざらしをこゝろに風のしむ身かな 秋十とせ却つて江戸をさす古郷 にはじまる「野ざらし紀行」以後の一貫した態度であることは十分頷ける。元禄....
私本太平記」より 著者:吉川英治
な児島高徳の親族、家の子たちとわかった。――豊田の地は、高徳にとって、祖先伝来の古郷土なのだった。 この熊山党をも入れて、およそ二百余騎となった一陣は、夜明け....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
天地の外にこそ住め がある。 いづこにも心とまらば棲みかへよ 長らへばまた本の古郷 は、上泉伊勢守の陰流の秘歌として伝わっている。 それらの剣道の極意歌な....