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古金襴
「古金襴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古金襴の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ら、もう以下は説明の要がないくらいで、案の定それなる桐の外箱の中には、南蛮渡りの
古金襴《こきんらん》に包まれて、その一品ゆえに若者清吉をして首をくくらし、遊女薄....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
まがいものじゃ、うちから預けた雛は二百年このかた伝わっている品で、一寸十両もする
古金襴地のはずなのに、これは今できの安い京金襴じゃとおっしゃいましたゆえ、わたく....
「悲しめる心」より 著者:宮本百合子
たった一人の私の妹よ―― (三) 糸蝋はみやびやかに打ち笑む。
古金襴の袋刀は黒髪の枕上に小さく美くしい魂を守ってまたたく。 元禄踊りの絵屏風....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ればよかったものを。
今はそのひまもない。
左膳は手早く壺にすがりをかぶせ、
古金襴《こきんらん》の布にくるみ、箱に入れて、風呂敷につつみました。
すっかり....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
に、紅梅模様を染めて、蕋《しべ》に金銀糸の縫いのした被布を被ていた。堆朱の台に、
古金襴をつけた脇息に、片肱をつかせて
「調所の供養じゃと思うて、あれの、命を助け....
「予言」より 著者:久生十蘭
の絵を見に行き、石黒の細君なるものに逢ったが、臙脂《えんじ》の入った滝縞のお召に
古金襴の丸帯をしめ、大きなガーネットの首飾をしているというでたらめさで、絵を見て....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
りますから、押戴き、 伊「拝見を」 と風呂敷包から取出して見ると、白茶地亀甲形
古金襴の袋で、紫羽二重の裏が附いておりまする結構な打紐を解いて、ズーッとこき出す....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
かい下さいまし」 帯の間の笛を抜いて、沢庵の手へ差出した。 それは、色褪せた
古金襴の袋に入っている。糸はつづれ、紐も千断れているが、古雅なにおいと共に、中の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は、奈良の宝蔵院まで行くのさ」 そういって、ふと、彼女の帯の間から、見えている
古金襴の袋をじっと見つめ―― 「おや、お女中さん、おまえも状筒を持っているんだね....