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「古鏡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

古鏡の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
かけ、しきりに鏡の面をふいているところであった。それはずっと以前に彼の手に入れた古鏡で、裏面には雲形の彫刻などがしてあり、携帯用の紐の付いたものである。この旧い....
十二支考」より 著者:南方熊楠
に雨を致すべし、上内庫中において遍ねくこれを視せしむ、皆類せずと言う、数日後、一古鏡の鼻の盤竜を指し、喜びて曰くこれ真竜あり、すなわち持ちて道場に入る、一夕にし....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
味のものがほしいのだ。 私は止むを得ない要求から昔、日本へ渡った湯屋や散髪屋の古鏡の出ものをあさることを始めた。それはそのクリカタや凸凹の味が本すじなのだ、全....
魔都」より 著者:久生十蘭
が玄関の間へ入って来た。 食堂の闇の中からその方を見ると、壁の上の四角な月影が古鏡の面のように薄光りしている、その中に今しも投影されたそれこそは実に意外な人物....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
さんは、長尾《ながお》峠の頂上に立っていた。眼のしたに、蘆《あし》の湖《こ》が、古鏡のように、にぶく光っている。 キャラコさんは、ここから御殿場《ごてんば》の....
雪の透く袖」より 著者:鈴木鼓村
品にもと、兼てその娘が死せし際に、その枢に納めたという、その家に古くより伝わった古鏡と、それに、今|切落した娘の黒髪とを形見に残して、喜んで再び庭より飛石伝えに....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
かと、ふしぎそうに高みで見物していたに違いない。 過日の南北朝展でも、絵画から古鏡、蒔絵の図様にまで雀の図がよく見られた。往時の世間には、眼をやるところ雀がい....
黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
が森林という程ではなかった。四時十分。左に少し行くと仙人ノ池が叢に埋もれた一面の古鏡のように光っている、野営には誂向きの場所だ。其畔りに天幕を張り小屋を掛けて、....