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「古雅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

古雅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
いえば山門を向き合って双方、名|灸所《きゅうしょ》と札をかけている寺など何となく古雅なものに見られるような気がして来た私は、気を利《き》かして距離を縮めてゆるゆ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
末で、慶安当時から二百年も経っていましたから、自然に板の木目が高く出て、すこぶる古雅に見えました。さてその絵馬について、こんなお話があるんですよ。 こんにちで....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
。藪から乗り出した冬青の木には赤い実が沢山なってる。渋味のある朱色でいや味のない古雅な色がなつかしい。省作は玉から連想して、おとよさんの事を思い出し、穏やかな顔....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
のは、よほど練習を積んだものと見える。服装と云い、踊りと云い、普通とは変って頗る古雅なものであった。 かたわらにいる土地の人に訊くと、あれは飯野川の踊りだと云....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
…… ――幕―― 本堂 大きな円柱がたくさん立っている大広間。正面に仏壇。左右に古雅な絵模様ある襖。灯盞にお灯明が燃えている。回り廊下。庫裏と奥院とに通ず。横手....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
取締りから禁じられて、幾分興味を淡くしたまで、元来が受けて来る鷽の疎刻が如何にも古雅で、近頃は前年のを持ちゆいて替えて来る向も尠くなった。要するに信心気は減った....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
用すべき尖端のコツであるかも知れない。 だが日本は、古くより雅味、茶気、俳味、古雅、仙骨、埃を礼讃した国民であり、折角作り出した塑像を縁の下の土に埋め、石燈籠....
諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
鍋の観音の市に売るという鶉車の玩具や、また筑後柳河で作る雉子車、この種の物は形が古雅で、無器用な処に面白味がある。この節では玩具一つでも、作方が巧みになって来た....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
へ進んだ。 ※|柳の下のおちご様は、朝日にむこうてお色が黒い…… 小|舞物の古雅な「柳の下」を微吟しながら歩いて行く。 ※お色が黒くば笠を召せ…… 蹣跚....
」より 著者:岡本綺堂
うので、夕飯をそこで食うことにして、日の暮れる頃に千住へ廻った。 広くはないが古雅な構えで、私たちは中二階の六畳の座敷へ通されて、涼しい風に吹かれながら膳にむ....
女の話・花の話」より 著者:上村松園
ろいろな情景に目をひかれながらゆきますと、やがて大原野神社に着きます。この神社も古雅な、なかなか結構な社地で、とても幽邃なところでして、この辺からすでに桜がちら....
無表情の表情」より 著者:上村松園
からくる感銘はいろいろです。単なる動作や進退の妙というだけのものではなく、衣裳の古雅荘厳さや、肉声、器声の音律や、歴史、伝説、追憶、回想、そういうものが舞う人の....
真間の手古奈」より 著者:国枝史郎
いた泉谷の主の、彦右衛門という人物は、こう左衛門にいった後で、その憐れな伝説を、古雅な言葉つきで話しました。 「仁明の御皇の御代でありましたが、羽田玄喜という医....
北穂天狗の思い出」より 著者:上村松園
には重さの調節をとるようにいろいろの荷物をつけている、自分ながら一寸ほほえましい古雅な図である。馬子もちょっと風変りな男であった。馬はゆっくり落葉松や白樺の林の....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
ます、其の頃は大いに流行りましたが、田舎に参りまして一節切を吹くのは稀で、其の音古雅にして、上手な人が吹きますと修行|者とは思われませんような音色でございます。....