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古風
「古風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
紛《まぎ》れて、さほど寂しいとは思わなかった。が、やがて竹の筒《つつ》を台にした
古風なランプに火が燈《とも》ると、人間らしい気息《いぶき》の通う世界は、たちまち....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
た。――どうです、葉巻は?」
しかし老人は子供のようにちょいと首を振ったなり、
古風な象牙《ぞうげ》の嗅煙草《かぎたばこ》入れを出した。これもどこかの博物館に並....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
のまわりに紅白のだんだらの幕をさげている。そして、舳《みよし》には、旗を立てたり
古風な幟《のぼり》を立てたりしている。中にいる人間は、皆酔っているらしい。幕の間....
「影」より 著者:芥川竜之介
野村《のむら》さん。」
今度は珊瑚珠《さんごじゅ》の根懸《ねか》けが出た。
「
古風だわね。久保田《くぼた》さんに頂いたのよ。」
その後から――何が出て来ても....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
ぎらとブリキのように反射して、石炭を積んだ達磨船《だるまぶね》や白ペンキのはげた
古風な汽船をものうげにゆすぶっているにしても、自然の呼吸と人間の呼吸とが落ち合っ....
「或る女」より 著者:有島武郎
中ほどにある一軒の小さな旅人宿にはいって行った。横浜という所には似もつかぬような
古風な外構《そとがま》えで、美濃紙《みのがみ》のくすぶり返った置き行燈《あんどん....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
》を分けた濃い毛の束《たば》ね髪《がみ》、些《ち》と煤《すす》びたが、人形だちの
古風な顔。満更《まんざら》の容色《きりょう》ではないが、紺の筒袖《つつそで》の上....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
い、お前の方で惣菜は要らなくっても、己が方で座敷が要るんだ。何を! 座敷が無え、
古風な事を言うな、芸者の霜枯じゃあるめえし。」 と盤台をどさりと横づけに、澄ま....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
、ぼんやり突立っては、よくこの店を覗いたものです。――横なぐりに吹込みますから、
古風な店で、半分|蔀をおろしました。暗くなる……薄暗い中に、颯と風に煽られて、媚....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
った、減った、無茶に減った。) と、いきなり卓子の上の風呂敷包みを解くと、中が
古風にも竹の子弁当。……御存じはございますまい、三組の食籠で、畳むと入子に重るや....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、私実は先刻からここに居たんだよ。路先を切って何か始まったから、田舎は田舎だけに
古風なことをすると思ってね、旅稼の積でぐッとお安く真中へ入ってやろうかと思ってる....
「赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ついていきました。 そのとき、年とったかっぷくのいいお年よりの奥さまをのせた、
古風な大馬車が、そこを通りかかりました。この奥さまは、むすめの様子をみると、かわ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
さしやら、派手なキャラコの袋を外側にたらしていた。かわいげな乙女たちも、母親同様
古風な身なりではあったが、麦藁帽子をかぶり、きれいなリボンをつけ、あるいはまた白....
「活人形」より 著者:泉鏡花
。首実検に入れ奉る。死相変じてまッそのとおり、ははははは。「お前はなあ。「これ、
古風なことをするな。呼吸が詰る、これさ。「鶏が鳴いても放しはしねえ。早く追い出し....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
板の上に天幕を張り、ちゃんと大川の両岸の景色を見渡せる設備も整っていた。こういう
古風な川蒸汽もまた目まぐるしい時代の影響を蒙らない訳には行かないらしい。その後へ....