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「句境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

句境の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旅愁」より 著者:横光利一
したが、それにしても出来ている句には心の乱れや汚さがないのを感じ、描かれる明るい句境の気持ちのままほッとべルレーヌの像を仰ぐのだった。三人の裸形の女が下から狂わ....
飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
力を具えていた。僕は「ホトトギス」の雑詠に出る蛇笏の名前に注意し出した。勿論その句境も剽窃した。「癆咳の頬美しや冬帽子」「惣嫁指の白きも葱に似たりけり」――僕は....
桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
明けしらみゆく花をうたい、他方はなおもことして霞になずむ桜花をたたえて共に清楚な句境である。星布の力づよい句風よく近代女流俳句の塁をますに足る。 花ちりぬこれを....
西林図」より 著者:久生十蘭
っているので、断ったりすると、みすみす秀句を殺すことになるのかもしれない。冬亭の句境は冬木も異端《いたん》とするにはばからないが、弟弟子にたいする愛情は、もちろ....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
つつみ》長うして家遠し 行く春やおもたき琵琶《びわ》の抱《だき》ごころ 等の句境は、万葉集の歌「うらうらと照れる春日に雲雀《ひばり》あがり心悲しも独し思へば....
仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
なので旨い魚を直ぐ食わせるところも見当らず、逝春に和歌の浦にて追い付きたりという句境にも遠いので、其処に夕がたまでいてO先生と別れ三人は那智の方に行く汽船に乗っ....