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句調
「句調〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
句調の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
えていきましたぜ」 聞くや同時です。待ちに待った名人のすっと胸がすくような伝法
句調が、はじめてズバリと言い放たれました。 「そうか! 筋書きがそう調子よくおい....
「行人」より 著者:夏目漱石
です。元から知ってる間柄《あいだがら》じゃありませんか」と冷笑《ひやか》すような
句調《くちょう》で云った。
「好い奥さんになったね。あれなら僕が貰やよかった」
....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
、おれの言う通りになってくれよ」 田島の声は、見ず転芸者を馬鹿にしているような
句調ながら、まんざら全く浮薄の調子ではなかった。また、出来ることなら吉弥を引きと....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
によって、曲の変化と活気が生じる。それと同様に、歌仙でもあまり美しい上品なそして
句調の平滑な句が続くと、すぐだれて来て活気がなくなる。われわれ初心の者の連句はと....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
見た。 「まったく不思議なんだ。それはこう言う訳なんだがね。」 G氏は落ついた
句調で、ぽつりぽつりと次のようなことを話した。 岡山を西へ一里半ばかり離れた田....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
切れたそうで、味の素は現実的に固有名詞でなくされつつあるが、当時放送局は思索の揚
句調味料と呼ぶことにした。こうして今日の日本放送協会のラジオは広告の放送は厳禁し....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ます、お雪ちゃんの怨み言がよくわかります」 と弁信の方が、かえってさっぱりした短
句調であしらうものですから、お雪ちゃんに、いよいよ満足の与えられようはずもありま....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
という風もなく、そういうことにも言い馴れた、という風に、初めから終まで同じような
句調で、落着き払って、柔らかに言う。 「へーえッ! 其様なことまで! 何うしてそ....
「まぼろし」より 著者:国木田独歩
た? ばかをいえ。百姓どもが集まって来たって何事をしでかすものか。』これがかれの
句調であった。 『東京がなんだ、参議がどうだ、東京は人間のはきだめよ。俊助に高慢....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
純潔で、水中の一条の光線のように音楽の中に動きゆき、あらゆる旋律《メロディー》の
句調に和合し得て、さらに流動自由な歌のようである声――それをクリストフは味わって....
「秘密の庭」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
実な執事が消え去ると、ヴァランタンは一同に息もつかせぬように、軍人式の容赦のない
句調で語をつづけた。 「ここにお出になる皆さんは御存知の事でしょうが、庭に人間の....
「湖水と彼等」より 著者:豊島与志雄
ん。」強い意志が青年の顔に閃いたので、彼女の心に罪深い恐れが満ちた。で祈るような
句調で、「神様はお許しになりません。自殺は恐ろしい罪悪です。」 「いいえ、」と青....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
『「忘れまいぞえあのことを」「忘れまいぞえあのことを」(此の言葉を言うとき念仏の
句調、以後同じ)ああ、わたしとしたことが、また瞋恚の焔炎に心を焼かれ勿体ないお上....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
賀川市長はどこから来たか両人に尋ねたかね? 」 松島は尋ねた。 牛は激昂した
句調で、 「ウム、それはもう太閤さんとの友人関係だと言うから判っているじゃないか....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
トロンだそうである。飄逸な反り型の赤ら顔だが、どこかに俗っぽい。好きで酔うと贅六
句調で、変な唄ばかり歌う。A博士は電気学者で京都の大学教授である。髪をキッと分け....