只管[語句情報] »
只管
「只管〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
只管の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
と為った、叔父は何れほどか腹が立ったろうけれど、日頃の気質で充分に叱りは得せぬ、
只管《ひたすら》怪美人に謝まろうと努めたが、怪美人も斯うまで云われては謙遜もして....
「乱世」より 著者:菊池寛
座候。何卒平生の心事御了解被成下大納言様御手筋を以乍恐朝廷へ御取成寛大の御汰沙|
只管奉歎願誠恐誠惶 謹言 酒井孫八郎 吉村又右衛門 沢|采女 三輪権右衛門 大関....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
は、磯野丹波守に一、二千の兵を出し、形式的に信長に対する加勢として越前に遣わし、
只管信長に頼った方が、御家長久の策であると云ったが、久政聴かず、他の家臣達も、久....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
身と為りたれば妾に向いて共に神戸に逃行かんと勧めたり妾は早くより施寧には愛想尽き
只管ら金起を愛したるゆえ左らば寧児をも連れて共に行かんと云いたるに※は足手纏いな....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
るだけ早く遣れ、バチグノールのレクルース街三十九番館だ」と告げ其身も続て飛乗りつ
只管馬を急し立たり、「はゝア、行く先はバチグノールだと見えますな」とて余は最も謙....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
曜学校の生徒も遠退き、こちらからも遠慮するようになって今は訪ねる人もなく、彼女も
只管謹慎して、滅多に外出しないのだったが、今日は朝方荷物を飯倉一丁目の高山――そ....
「獏鸚」より 著者:海野十三
ならぬ!」 そういう信念のもとに、帆村は世間のニュースを耳に留めようともせず、
只管にこの暗号解読に熱中した。――その間、江東のアイス王の金庫はいくたびとなく専....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
というものに、接近はしませんでした。氏は、一度信ずるや、自分の本業などは忘れて、
只管深く、その方へ這入って行きました。氏の愛読書は、聖書と、東西の聖者の著書や、....
「池袋の怪」より 著者:岡本綺堂
落ちるが、座敷内にも落ちる、何が扨、その当時の事であるから、一同ただ驚き怪しんで
只管に妖怪変化の所為と恐れ、お部屋様も遂にこの邸に居堪れず、浅草並木辺の実家へ一....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
に日によそよそしくなるのを禁ずることが出来ませんでした。私は唯気違い馬のように、
只管研究に没頭するばかりです。妻には無論血液型の事については一言も申しませんでし....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
抱くものが、夫々の希望をファッシズムに投影して、自己満足に陶酔しているのである。
只管に現状打破を望む性急|焦躁のものが、往くべき方向の何たるかを弁ずるをえずして....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
委しいことは後で話す。兎も角も今日の処は何うか堪忍して呉れ。」 拝むようにして
只管頼むと、お葉は誇りがに首肯いた。 「可ござんす。じゃア、先刻の約束は忘れませ....
「絶望より生ずる文芸」より 著者:小川未明
する道であると思われるのである。 即ち一は此の生活の根柢の何であるかを問わず、
只管に日常生活の中に経験と感覚とを求めて自我の充実を希い、一は色彩的な、音楽的な....
「美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
。(これから若様の事を松吉と申します)花は人のすすめる結婚話などには耳を貸さず、
只管松吉の成長を楽しみに、父と二人で働きました、ところが、昨年の冬、ふとした感冒....
「情鬼」より 著者:大倉燁子
まして後は、ほんとうに真面目だったんでございます。嫂の死後は一層身を謹みまして、
只管嫂の冥福を祈って居りましたのですから、たとえ人様が何と仰しゃいましても、兄に....