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「只者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

只者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
長篠合戦」より 著者:菊池寛
けた武者一騎、大長毛の馬を流に乗入れて、静々と引退くのを見た。落付き払った武者振只者に非ずと、利家|諸鐙を合せて追掛けると、彼の武者また馬の頭を返した。透間もな....
少年探偵長」より 著者:海野十三
手の身体にぴったりとつけて発射しないと、弾丸が身体の中へはいらない。 「犯人は、只者じゃない。チャン爺さんを殺すことなんか、鶏の首をしめるほどにも感じなかったん....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
中に虹でも吹きそうである。 三 だが南部集五郎、こいつも決して只者ではなかった。東軍流ではかなりの手利《てき》き、同じく飛び退くとヌッと延《の....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
と、船長は、さすがにていねいだった。だが、船長は曾呂利を一目見るより、これは只者でないと、にらんでしまったので、ゆだんなく彼のうえに、気をくばる。 「船長。....
火星兵団」より 著者:海野十三
して、鼻の下からあごまでの間が、障子紙のように、ぶるぶるふるえるのだった。どうも只者ではない。 「僕、おどろいたりしませんよ」 千二少年は、心の中に決心した。....
火薬船」より 著者:海野十三
ちに、かんがえなおせというのだ。あんな不利な映画まで撮ったノルマンという船長は、只者ではないぞ。汽船だって、ノールウェー汽船といっているが、そうじゃあない。ここ....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
だったのか。お力坊、眼が高いなア」 と、水を分けて、留吉が、姿を現わした。 「只者じゃアねえと思ったが、矢っ張り滝壺の中の小判を狙っていたのかい。俺も然うさ。....
怪しの者」より 著者:国枝史郎
と、私といたしましては、職人風の男へかえって不審を打ったのでございます。 (只者じゃアない、うろんな奴だ) 私は考えに沈みながら、広い耕地を見やりました。....
鵞湖仙人」より 著者:国枝史郎
水煙が上った。同時に湖上の老人の姿が、煙のように消えて了った。 見抜いた武士も只者では無い。 むべなる哉この侍は、由井民部介橘正雪。 南宗流乾術第一巻九重....
首頂戴」より 著者:国枝史郎
は、狂ったものと見なさなければならない。伊賀殿の観察を狂わせる程の乞食、いよいよ只者では無さそうだな。……焚きすてられた香の香が、残って立ち迷っているところを見....
あの世から便りをする話」より 著者:海野十三
たいというのであります。 さて、乗込んで来た人物を見ると、洵に眼つきから何から只者でない。生憎私の部屋なるものが、袋小路の突当りみたいな部屋でして、どうにも逃....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
、体の固め眼の配り、寸分際なく神妙である。 しかし一方香具師の頭、玄女も決して只者ではなかった。 「民弥さんとやら、断わりましょう」にべもなくポンと付っ刎ねた....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
て振り返って見た。とその武士も湯殿の口で、じろじろこっちを眺めていた。 「こいつ只者じゃなかりそうだ」こう千三屋はつぶやくと、小走りに走って廊下を曲がり、自分の....
剣侠」より 著者:国枝史郎
として音吉は首を縮めた。 勿論音吉をはじめとして、乾児一同お妻のことを、どうせ只者じゃアありゃアしない。枕探し、女|邯鄲師、そんなようには薄々のところ、実は推....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
離れて往来へ立って、真正面から女を睨んで、怒りと恥とに身を揉んでいた。が代官松も只者ではない。よしよし図に乗って挑戯って来るこの女をうまくあやなして、屋敷のよう....