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召物
「召物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
召物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
》には、ただ、蛙《かわず》の声が聞えるばかり、雨は益《ますます》降りしきって、御
召物も濡れれば、御眼も眩《くら》むと云う情ない次第でございます。
それがほど経....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
がてのことにこう言ったものである。「いや、もう繕いはききませんよ、じつにひどいお
召物ですて!」 その言葉を聞くと、アカーキイ・アカーキエウィッチの胸はドキンと....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
て、私の手がお身代に立っている処じゃありませんか。」 「それでもね、こうやってお
召物を持っている手も、随分、随分(と力を入れて、微笑んで、)迷惑してよ。」 「相....
「妖術」より 著者:泉鏡花
い、私は。」 と言った、がこれは心から素気のない意味ではなかった。 「だって、
召物が。」 「何、外套を着ています。」 と別に何の知己でもない女に、言葉を交わ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
はご自分でも覚悟をしていらっしたんですよ。私、お子さん方をお連れして行く時に、お
召物を出しに箪笥をあけて見ますと、お母さまのお
召物に何だか妙な札がついているんで....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
貴方の側に粘り附いていて動きません、此方の家は貴方のお家より、余程大尽ですから、
召物でもお腰のものでも結構なのが沢山ありますよ」 源「これは旨い趣向だ、考えたね....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
かって、上へ桂を繰り上げる。引留められて、御姿が、またもとの、月の前へ、薄色のお
召物で、笄がキラキラと、星に映って見えましょう。 座敷で暗から不意にそれを。明....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
一か二か位に思われます。お顔はどちらかといえば円顔、見るからに大そうお陽気で、お
召物などはいつも思い切った華美造り、丁度桜の花が一|時にぱっと咲き出でたというよ....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
あ、いらして下さったのね、ありがとう。嬉しいわ。さあおかけになって、あら、いい御
召物ね。えんじ色、よく御似合いだわ」 仁科たか子は狼狽した。 「主人はまだでし....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
ものに敬語を付け、呼び捨てにするのを失礼とした。「お箸」「お香の物」「お櫛」「お
召物」―― 彼女は繁雑に耐えられなくなった。 それに一緒に住んで見れば、柔弱....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
いりません、結城紬の着物に、絹紬の羽織で宜しい」 と云うと、いつもはお召縮緬の
召物だが、今日は渋いお装をして見せようと思ってと、又モヤ/\として、 女「車を言....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
お年(明治二年)までに、東海道を往復数度なさったが、その時のお姿が、白羽二重のお
召物に、緋の袴を召されて、お馬だった。 明治天皇のお馬の道中には、片脇に侍臣が....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
、
脣はふっくりとして、血色の好い頬は
冠の飾の下にかがやいている。襞のある
お
召物を召した所が、お気持が好さそうだ。
行儀作法はなんと申して好いか。王者のお身....
「古事記」より 著者:太安万侶
の髮でお頭を覆《おお》い、また玉の緒を腐らせて御手に三重お纏きになり、また酒でお
召物を腐らせて、完全なお
召物のようにして著ておいでになりました。かように準備をし....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
の悪いものを突転ばして、コレ見ろ」 山田「これは……怪しからん奴だ、大夫の結構な
召物へ泥を附けて」 小「あなたが突飛したから私が蹌けたので、盲目でございますから....