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召集令
「召集令〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
召集令の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「酒の追憶」より 著者:太宰治
傷を負っていたという。そうして、彼は、それが東京に於ける飲みおさめで、数日後には
召集令状が来て、汽船に乗せられ、戦場へ連れられて行ったのである。 ひや酒に就い....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
まいた。彼はだまってその紙きれをみんなに見せた。――在郷軍人、木村音吉にたいする
召集令だった。人々はだまって顔を見合せた。 木村が青くなった直接の原因を、人々....
「十五年間」より 著者:太宰治
でもしたら、家族はひどい事になるだろうと思ったが、どういうわけか、とうとう私には
召集令状が来なかった。安易にこんな事は口にしたくないが、神の配慮、という事を思わ....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
われた。一月以前から政治界の雲行きのすみやかなのは、田舎で見ていても気がもめた。
召集令はすでにくだった。村役場の兵事係りが夜に日をついで、その命令を各戸に伝達す....
「清貧の書」より 著者:林芙美子
は雅号《がごう》ではないだろうね。本名は小松世市、こう書くンだろう」 「だから、
召集令状を見たらいいでしょう」 一枚の小さな
召集令状が、あっちこっちの紳士諸君....
「壊滅の序曲」より 著者:原民喜
た。だが、その新しい日まで己《おれ》は生きのびるだろうか。…… 片山のところに
召集令状がやって来た。精悍《せいかん》な彼は、いつものように冗談をいいながら、て....
「戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
イゼル自身も思わなかったろう。予定の日は来た。一九一四年八月の運命の日。大戦だ。
召集令。軍隊輸送。停車場の接吻。銀行家も大工も大学教授も肉屋も新聞記者も、パウル....
「三月の第四日曜」より 著者:宮本百合子
それを、自分の声でおし鎮めるようにしながら飛田がつづけた。 「実は只今、光栄ある
召集令をいただきました。兼々待望の好機でありますから、全力をつくして本分をつくし....
「嘘」より 著者:太宰治
いて下さい。私の遠縁の男なんです。嫁をもらったばかりの若い百姓です。 そいつに
召集令状が来て、まるでもう汽車に乗った事もないような田舎者なのですから、私が青森....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
禁じ得ざりき。 さてその頃は、征清の出師ありし頃、折はあたかも予備後備に対する
召集令の発表されし折なりし。 謙三郎もまた我国徴兵の令に因りて、予備兵の籍にあ....
「白藤」より 著者:豊島与志雄
出しませんでした。 然し、そういう約束も、果すことが出来なくなりました。保治に
召集令状が来たのでした。 秋の半ばで、まだ紅葉には早く、藤の葉も青々としていま....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
るだけなのだ。 それらの男の多くは以前から屡々私にいい寄っていたが、私は彼らに
召集令がきて愈々出征するという前夜とか二三日前、そういう時だけ許した。後日、娘た....
「火の扉」より 著者:岸田国士
うちに、互に心をゆるし合う間柄となり、たま/\戦争がおこると同時に、その青年にも
召集令状が来た。まだ双方の親元は正式に承知をしたわけではないが、本人同士は、かた....
「その人を知らず」より 著者:三好十郎
声を出して)いえね、木山さん、この片倉君は、戦争中、なんですよ、戦争に反対して、
召集令状を受けても出征するのをことわりましてね、そのために憲兵隊やケイサツにつか....
「樹氷」より 著者:三好十郎
る。で学生時代に肋膜をやったりしていたために、兵隊の方はなかった筈の杉夫に、急に
召集令状が参りましてね、仕方がありません、一週間ばかりのうちに、広島の部隊に入隊....