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可也
「可也〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
可也の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
も格別気の毒とは思わなかった。けれども含芳の顔を見た時、理智的には彼女の心もちを
可也《かなり》はっきりと了解した。彼女は耳環《みみわ》を震わせながら、テエブルの....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
《さ》ます拍子に危く香炉を落しそうにする。けれども谷中《やなか》へは中々来ない。
可也《かなり》長い葬列はいつも秋晴れの東京の町をしずしずと練っているのである。
....
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
とらのところへ入浸《いりびた》っていた。青柳と云うその男は、その町の開業医として
可也《かなり》に顔が売れていたが、或私立学校を卒業したというその弟をも、お島はち....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
て、睡眠不足の僕を意地悪く盛んに挑発する。頁を繰ってゆくうちに、毛筆で書いてある
可也大きい字がボーッと融け崩れ始めて、僕はあまりの睡さにとうとう怺えられなくなっ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
よりやや小さい室が、まるで墜道のように拡がっているのだった。そして部屋の外には、
可也広いアスファルト路面の廊下が、どこまでも続いていて、なにが通るのか、軌道が敷....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
にあの部屋から出てきたのを見られている。しかし犯人が若い女の方だとすると、煙草は
可也重要な証拠になると思う。金が目醒めている間には、あんなに煙草を撒き散すことは....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
ろあいを知らず。Alles oder Nichts.」 またいう。「策略の花、
可也。修辞の花、
可也。沈黙の花、
可也。理解の花、
可也。物真似の花、
可也。放火の花....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
た。自動車の走る道の両がわは大抵松ばかり茂っていた。上り列車に間に合うかどうかは
可也怪しいのに違いなかった。自動車には丁度僕の外に或理髪店の主人も乗り合せていた....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
った。 僕は大学に在学中、滝田君に初対面の挨拶をしてから、ざっと十年ばかりの間
可也親密につき合っていた。滝田君に鮭鮓の御馳走になり、烈しい胃痙攣を起したことも....
「名士訪問記」より 著者:海野十三
士会の規則があって、最低料金が定められています。私のところは他の特許事務所よりも
可也たかいのです。」 「えっ、やすいのではないのですか。」 「どういたしまして。....
「キド効果」より 著者:海野十三
ら第三図まで、ここのところに少し高いところが出ているのに、丘助手のには無かった。
可也やったつもりだったが、どうしても出なかったのだった。 「どうも有難とう存じま....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
かりでなくて、世界の文明のため人道のためだというが露西亜人の腹の底の覚悟である。
可也、そっちがその了簡ならこっちもそのツモリで最う一度対手になろうといいたい処だ....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
神の楼閣と思わるる巌峰は、大雪山の腰なれば、大雪山の有する一大偉観なりといいても
可也。 鬼神の楼閣を下より眺めたるのみにては、普通遊覧の域也。山水に徹底せむに....
「三国志」より 著者:吉川英治
ノミ。吾イマ大軍ヲ南鄭(漢中)ニ屯シ、卿ガ妙才ヲ観ント欲ス。二字ヲ辱ムルナクンバ
可也(妙才ハ夏侯淵ノ字) とあった。彼は勇躍した。早速に兵を調え、張※を呼んで....