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可動
「可動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
可動の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「予報省告示」より 著者:海野十三
知れず、世界の交通は杜絶し、秩序はもはや保たれなくなる。さしもの世界支配族たりし
可動植物たちも、その生物的弱点により生存を脅されるに至り、殊に彼らの無反省な本能....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
達の両時期の考えを思い出させるものがある。スペンサーはこう言っている。『太陽系は
可動的平衡状態にある体系であって、その最後の分布状態においては、かつて自身にそこ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
のだ。ああ、僕はステーリングじゃないがね。心像は一つの群であり、またそれには自由
可動性あり――と云ったのは至言だと思うよ。何故なら、そのレヴェズの一語には、あの....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
ることを物語っているだろう、教育の理想は元来、一つのイデオロギーとして、国際的な
可動性を有っている。之は日本にも支那にもそのイデオロギー的影響を有ち得るものなの....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
外で、パネルの上の目盛盤《めもりばん》をまわすと、その長い軸がまわって、受信機の
可動部品を動かすのである。 金網はもちろんよく接地《せっち》してある。だからパ....
「ヒューマニズムへの道」より 著者:宮本百合子
ことなのであろうと信じる。 インテリゲンツィアが階級をもたぬものであることや、
可動的な本質から弱いものであるというような一応型にはまった、消極性の自認が近頃は....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
右のようであるとすれば、文化・文学を正当に発展せしめようとする忠実な努力は当然、
可動的なインテリゲンツィアをして、その能動精神に最も意義ある方向を与えるよう尽さ....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
てヴァイオリンのようにメロディアスのものである。故にその発想の形式は、必然に柔軟
可動体なる、メロディアスの自由主義を欲求する。これに反して一方のもの、即ち意志的....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
は博士の所謂国家は無的なものだ。というのは夫は現実に有る処の国家を理想へ向かって
可動的にするために挿入せねばならぬ処の無的イデーなのである。だからつまり吾々の眼....
「方則について」より 著者:寺田寅彦
である。すなわち普通にいわゆるペンの目方である。精しく云えばこの中には身辺にある
可動性の器物や人間や一切のものの引力も加わっていてこれらが動けばそれだけの影響は....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
立て……立って、おれについて来い」 脇窓 霧が流れるたびに、勝鬨《かちどき》の
可動橋の巨大な鉄骨の側面が、水に洗われるように見えたり隠れたりしている。霧が深い....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
と、雑多に積みあげられた商品や古物の間を、裾から火のついたように走り廻っている。
可動橋の歯車の音、船の汽笛、怒声に罵声、機重機の呻《うめ》き声、蒸気の噴出する音....
「抵抗のよりどころ」より 著者:三好十郎
危険が感じられるからである。目は四方にはなたれる必要がある。身体は安定に、八方へ
可動に、ということはそれ自体としての自然に立つ必要がある。 第三の理由は、抵抗....