可哀想[語句情報] »
可哀想
「可哀想〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
可哀想の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空中墳墓」より 著者:海野十三
が、先生。あの有名な事件の人物が二十年後の今日、発見されたことがわかったが最後、
可哀想な松井田は警官と新聞記者とに殺到されて、あの男の頭はどこまで変になるか知れ....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
のような静寂がヒシヒシと迫ってくるのだった。 「キキキッ」 とまた鳴いた。 「
可哀想に、鳴いているな」そう云って大蘆原軍医は、大きい鉄枠のなかを覗きこんだ。そ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
心配いらぬよ。こんな身体でお役に立てば死んでも本望だ。ただ三吉を連れて行くのは、
可哀想でもあるけれど、あれは案外平気で、行って呉れるだろうと思う」 「そうだよ。....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
ッと脳貧血が起りそうになった。それほどむごたらしい傷口だった。 「おお、金さん。
可哀想に……」と番人は声を慄わせた。「助かりますか」 「金さんというのかネ」と帆....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
し新家庭を作れやい」 「いや、それは御免を蒙りましょう」 「御免を蒙る。なぜだ。
可哀想にお志万は、お前の出獄するのを指折りかぞえて待っていたんだぜ」 「それはど....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
。可哀そうに、みんなで三十九人だ。三十九人も捨てられてしまった」 もう駄目だ。
可哀想なベラン氏よ。僕は口の中で、ベラン氏の冥福を祈った。そして頭をいよいよ床に....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
に、襟脚、脊筋も透通る。……凄いまで美しいが、……何か、細君は魔法つかいか。 晃
可哀想な事を言え、まさか。 学円 ふん。 晃 この土地、この里――この琴弾谷が、....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
ええ、そうよ。 撫子 いいえ、いま思知ったんです、まったく罰が当りますから、私を
可哀想だとお思いなすったら、このお邸のおさんどん、いくや、いくや、とおっしゃって....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
し彼女はいきなりワーッと大きな声をあげると、杜の胸に顔を埋めて泣きつづけた。 「
可哀想に――。無理もねえや。妙齢の女が桐の箪笥ごと晴着をみな焼いちまって、たった....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
女と一所に居る時は、蚤が一つ余計に女にたかっても、ああ、おれの身をかわりに吸え、
可哀想だと思うが情だ。涼しい時に虫が鳴いても、かぜを引くなよ、寝冷をするなと念じ....
「古狢」より 著者:泉鏡花
……気味が悪いの、可厭だなぞって、そんな押退けるようなこと言えませんわ。あんまり
可哀想な方ですもの。それはね、あの、うぐい(※)亭――ずッと河上の、川魚料理……....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
な風。 女房|更めて顔を覗いて、 「何んと、まあ、可愛らしい。」 「同じ事を、
可哀想だ、と言ってくんねえ。……そうかと言って、こう張っちゃ、身も皮も石になって....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
んか。――私はもう、あの人が田圃で濡れた時の事を思っても、悚然とする。どうだね、
可哀想だとは思わないかね。」 「そうさな。まさか私だって、縁日の売薬みたいに、あ....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
は細君を持つまでは今の通りやるよ。きっとやってみせるよ。 A 細君を持つまでか。
可哀想に。(間)しかし羨ましいね君の今のやり方は、実はずっと前からのおれの理想だ....
「不周山」より 著者:井上紅梅
り落され、その時早く水面にも落ちず、海辺に俯伏になって、自分の脣を打った。女※は
可哀想に思ったがそのままにしといた。彼女は本当にそんなことに構っている暇もなかっ....