可哀相[語句情報] » 可哀相

「可哀相〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

可哀相の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
いに買うにゃ当りやせん、食もたれの※なんぞで、せせり箸をされた日にゃ、第一|魚が可哀相だ。 こっちはお前、河岸で一番首を討取る気組みで、佳いものを仕入れてよ、....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
公子 おい、その姿見の蔽を取れ。陸を見よう。 女房 困った御婦人です。しかしお可哀相なものでございます。(立つ。舞台暗くなる。――やがて明くなる時、花やかに侍....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
た処は、しおらしいものですわね。酷いめに逢うのも知らないで。……ぽう、ぽっぽ――可哀相ですけど。……もう縁側へ出ましたよ。男が先に、気取って洋杖なんかもって――....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
ゃ。縁起でもない事の。罪人を上積みにしてどうしべい、これこれでござる。と云うと、可哀相に苦しかろう、と団扇を取って、薄い羽のように、一文字に、横に口へ啣えさしっ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
いや、それも度胸だな。見た処、そのように気が弱くては、いかな事も遣つけられまい、可哀相に。」と声が掠れる。 「あの……私が、自分から、言います事は出来ません、お....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
饂飩屋がチョッ、舌打する。 「貸してくれってんだぜ、……きっと返すッてえに。……可哀相じゃないか、雪女になったなりで裸で居ら。この、お稲さんに着せるんだよ。」 ....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
さんと、以来かのおんなを渾名した。――嬰児が、二つ三つ、片口をきくようになると、可哀相に、いつどこで覚えたか、ママを呼んで、ごよごよちゃん、ごよちゃま。 ○日....
縁結び」より 著者:泉鏡花
てるね、と云って、阿母は横抱に、しっかり私を胸へ抱いて、 こんな、お腹をして、可哀相に……と云うと、熱い珠が、はらはらと私の頸へ落ちた。」 と見ると手巾の尖....
」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
着物に着更えて出て来た。その着物は春の頃クサカが喰い裂いた茶色の着物であった。「可哀相にここに居たのかい。こっちへ一しょにおいで」とレリヤがいった。そして犬を連....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
いなすって、玉のごときそのお身体を、砕いて切っても棄てたいような御容子が、余りお可哀相で見ておられん。 夫人、真の獣よりまだこの廉平と、思し召す方が、いくらか....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
さんから、叱言が出ます。かれこれ、大島屋さんのお耳にも入りますな、おかみさんが、可哀相な盲小僧だ。……それ、十六七とばかり御承知で……肥満って身体が大いから、小....
化鳥」より 著者:泉鏡花
いました。そうだけれども、王様だけれども、雨が降るからねえ、びしょぬれになって、可哀相だったよ。」 母様は顔をあげて、こっちをお向きで、 「吹込みますから、お....
狂女」より 著者:秋田滋
どうぞ堪忍してあげて下さい。奥さんは、嘘でもなんでもございません、それはそれはお可哀相なかたなんですから――」 少佐は腹が立って堪らないのだったが、そうかと云....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、向合った。 (まだ、名を知らない。) (私、ゆう。) (ゆう、勇。) (あら、可哀相に、おてんばじゃありません。※の。) (……ああ、お優さん。) (はい。)....
活人形」より 著者:泉鏡花
にこれから彼奴を突止めるのです。この病人は及ばぬまでも手当を厚くして下さい。誠に可哀相な者ですから。「何か面白い談話がありましたろう。「ちっとも愉快くはありませ....