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可愛
「可愛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
可愛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
はいかにも田舎者《いなかもの》らしい、無精髭《ぶしょうひげ》を伸ばした男。少年は
可愛《かわい》いと云うよりもむしろ可憐な顔をしている。彼等の後《うし》ろには雑沓....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
三匹の犬とをつれて、洞穴の中へはいりますと、成程ここにも銀の櫛《くし》をさした、
可愛らしい御姫様が、悲しそうにしくしく泣いています。
それが人の来た容子《よう....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
》の口から渡が袈裟を得るために、どれだけ心を労したかを聞いた時、己は現にあの男を
可愛《かわゆ》く思った事さえある。渡は袈裟を妻にしたい一心で、わざわざ歌の稽古ま....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
思った。王生ももう道楽には、飽きたのかも知れないと云うものがある。いや、どこかに
可愛い女が、出来たのだろうと云うものもある。が、肝腎《かんじん》の王生自身は、何....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ると、一日腹を立てている事もあった。が、ほかに仕事のないお蓮は、子供のように犬を
可愛がった。食事の時にも膳《ぜん》の側には、必ず犬が控えていた。夜はまた彼女の夜....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
った後《のち》、もう一度やっと微笑を浮かべ、テエブルの前に腰を下した。僕は大いに
可愛《かわい》かったから、一座の人目に触れないようにそっと彼女の手を握っていてや....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
あんな柔順なやつは珍らしいくらいだったのだ。だから軍医官でも何でも、妙にあいつが
可愛いかったと見えて、特別によく療治をしてやったらしい。あいつはまた身の上話をし....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
供らしい熱心さが、一党の中でも通人の名の高い十内には、可笑《おか》しいと同時に、
可愛《かわい》かったのであろう。彼は、素直《すなお》に伝右衛門の意をむかえて、当....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
けたまま、口惜しそうに毒口《どくぐち》を利《き》いた。
「たんと慎ちゃんばかり御
可愛《おかわい》がりなさいよ。」
父は多少持て余しながらも、まだ薄笑いを止《や....
「白」より 著者:芥川竜之介
殺しようと決心しました。ただ自殺をするにつけても、ただ一目《ひとめ》会いたいのは
可愛がって下すった御主人です。勿論お嬢さんや坊ちゃんはあしたにもわたしの姿を見る....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
り出した。
「ほんとうですわ。」
「どうして嘘だと御思い?」
「あなたばかり鳩が
可愛《かわい》いのじゃございません。」
彼はしばらく返答も忘れて、まるで巣を壊....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
こ》わ怖《ご》わその子を抱いて来ると、すぐに自分が受け取りながら、「おお、これは
可愛い子だ。泣くな。泣くな。今日《きょう》からおれが養ってやるわ。」と、気軽そう....
「少年」より 著者:芥川竜之介
ていた。しかしその顔はどう云うものか、前に思ったほど生意気ではない。いや、むしろ
可愛い中にも智慧《ちえ》の光りの遍照《へんしょう》した、幼いマリアにも劣らぬ顔で....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
の頬をさすっていた。しかも誰かと話す合い間に時々こう女教師に話しかけていた。 「
可愛いわね、先生は。
可愛い目をしていらっしゃるわね」 彼等は僕には女生徒よりも....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
をつけた。眼のなかへ入れても痛くない、子供の顔を見ないでは夜も日も明けないと云う
可愛がり方。そして、車大工とその女房は、交わるがわるその一粒種を手にとって、撫で....