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台木
「台木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
台木の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅愁」より 著者:横光利一
も思った。
「この家の土台を変えなくちゃ――」
と、また矢代は柱の下の黝ずんだ
台木に指を触れて云った。
家を改造するにあたり、大工をとよの主人の清三郎に彼....
「笑われた子」より 著者:横光利一
降ろすと、鉈を振るってその場で仮面を二つに割った。暫くして、彼は持ち馴れた下駄の
台木を眺めるように、割れた仮面を手にとって眺めていた。が、ふと何んだかそれで立派....
「二つの途」より 著者:豊島与志雄
た。 信子が氷嚢を取代えて戻って来ると、啓介は涙ぐんでいた。彼女が、氷嚢の紐を
台木に懸けて彼の額に適度に当てがってくれる間、彼は眼を閉じていた。 「木下君はま....
「花ふぶき」より 著者:豊島与志雄
った。ゆっくり坂を上って行った。坂を上りきった左手の方、神社の境内に、数株の桜の
台木が、満開すぎの花をつけている。少しかすんだ陽光が大気中に漲っていて、花はへん....
「可愛い女」より 著者:神西清
材木のように思えて、桁材だの、丸太だの、板割だの、薄板だの、小割だの、木舞だの、
台木だの、背板だの……といった言葉の中に、何となく親身なしみじみした響きが聞きと....
「「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
てこれを比喩するに、柑橘栽培の例を以てした。今再びこれを繰り返したいと思う。その
台木がよしや柚子であっても、橙であっても、枳殻であっても、それは深く問うところで....
「はつ恋」より 著者:神西清
りを着て、頬のこけた顔をした、もじゃもじゃ髪の痩せた男の子が十人ほど、四角な印刷
台木を締めつける木の梃子へ、しょっちゅうとびついて、そんな風に自分たちの虚弱い体....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
中原台の淵の話では、長者の娘は水の底に一人で機を織っており、鉈はちゃんとその機の
台木に、もたせ掛けてあったということで、そうしてうちの親たちに心配をするなという....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
いであろうか。果樹や花の木の新種というものは、実をもいで来て播いて生やすよりは、
台木を見つけてそれに接穂をするほうが早く成長する。そしてその
台木には大ていは同種....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
ことごとく温州蜜柑になってしまっているのです。もっともその出来上った温州蜜柑も、
台木の性質によったり、土地の肥瘠、培養の仕方、風土・気候の関係等に依って、必ずし....