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台盤
「台盤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
台盤の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
若かった昔にくらべれば、どこもかしこも、うそのような変わり方である。自分が、まだ
台盤所《だいばんどころ》の婢女《みずし》をしていたころの事を思えば、――いや、思....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
「しかし実方の朝臣などは、御隠れになった後《のち》でさえ、都恋しさの一念から、
台盤所《だいばんどころ》の雀《すずめ》になったと、云い伝えて居《お》るではありま....
「旅愁」より 著者:横光利一
すうッと真直ぐに青葉が一つ落ちて来る。風が吹く度びに揺れる繁みの中から時計の白い
台盤が現れてはまた青葉に隠された。
「でも、久慈さんだって、口でだけあんなに仰言....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
して、眼前に腹ばって、のして行く。さきに流れた、誰にも認められるべきところの酒器
台盤がそれに先行して行く。見ようによると、一匹の大蛇が、その酒器
台盤を追うて、こ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
恥ずかしくなり命婦はそっと去ってしまった。 翌日命婦が清涼殿に出ていると、その
台盤所《だいばんどころ》を源氏がのぞいて、 「さあ返事だよ。どうも晴れがましくて....
「源氏物語」より 著者:紫式部
ことであると思って、姫君のほうの南側の座敷の御簾の中へ来ることを許したのであるが
台盤所の女房たちの集まっているほうへはいることは許してないのである。源氏のために....
「源氏物語」より 著者:紫式部
厠係りの童女はきれいな子で、奉公なれた新参者であるが、それが使いになって、女御の
台盤所へそっと行って、 「これを差し上げてください」 と言って出した。下仕えの....
「源氏物語」より 著者:紫式部
さないですぐお出かけになっては、中宮様はよろしくなく思召すでしょう。先ほど私は、
台盤所のほうで中宮様のお言葉を聞いておりまして、私がよろしくないお手引きをいたし....
「源氏物語」より 著者:紫式部
向きのことが忙しかったのかおそくなって出て来た。そして宇治の返事の来たのを宮に、
台盤所へ来ておいでになって戸口へお呼びになった宮へ差し上げていたのをちょうどその....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
もあった。藤原氏にも三種の神器のようなものがあるのだね。これを、長者の印、朱器、
台盤とやら云うね。朱器
台盤というのは食事の道具らしいや。年に一度の大宴会に大臣諸....
「上海」より 著者:横光利一
造ってうす暗く窪んでいる。そのぎっしり詰った豚の壁の奥底からは、一点の白い時計の
台盤だけが、眼のように光っていた。 この豚屋と果物屋との間から、トルコ風呂の看....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
のか、高氏には判じもつかない。 彼女らはこもごもに、主賓の彼へ杯をすすめたり、
台盤のさかな箸をおき直したり、またその嬌笑を、時々の笑いどよめきの波と、ひとつに....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
に斬り落され、滝口ノ武者もたくさん寄って来て「そこぞ」「彼方ぞ」「逃がすな」と、
台盤所から藤壺にまで屋鳴りが駆けわたっていた。 かかる間に、二条京極の警固五十....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
なしはまず措くといたしましょう。……ほ。香のよい松茸やら、種々な山の幸が、見事に
台盤に盛られてございますな」 「む。たそがれ見えた正成の田舎土産だ。喰べてやれ」....