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台閣
「台閣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
台閣の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「続黄梁」より 著者:田中貢太郎
知りましょうや」 曾は思いあがってきて、すっかり気をおとして帰ったが、それから
台閣の想いはあわいものになった。そして山へ入ったが終った所がわからなかった。....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
る工場の人よ。可哀想なる地底の坑夫よ。気の毒なる店頭の人、デスクの人よ。笑止なる
台閣の人よ。羨む可き爾農夫よ。爾の家は仮令豕小屋に似たり共、爾の働く舞台は青天の....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
然とさせるまでも無かったというのが至当であるかも知れない。長官の黒田は参議として
台閣に列しているため常に東京に居りそこから指図して来る。従ってサッポロは判官岩村....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の面目では押し通せないことがあるのです。天下の選良を集めたという国家の議会に立つ
台閣の宰相でさえ、時としては万機公論の間《かん》を頬かむりをして押し通さねばなら....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
物でガツガツしてこのザマだ、一つには江戸っ子の下落、一つには政治向の堕落、江戸の
台閣には人間がいねえのかなあ」 六十七 こういう余憤に駆《か....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
ようとしているのじゃ。……しかして国内の有様はどうか? 上は将軍家をはじめとし、
台閣諸侯、奉行輩、奢侈に耽り無為に日を暮らし、近世珍らしい大飢饉が、帝の赤子を餓....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
わして長崎の港へ入る。 長崎の山々は深緑を畳み、その間に唐風《からふう》の堂寺
台閣《どうじだいかく》がチラホラと隠見《いんけん》する。右手の丘山《おかやま》の....
「天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
いでことは色々に見えて来るものよ。井上君、君にはもう隠す必要はあるまいと思うが、
台閣よりの命令に依り常野の兵追討の任を田沼様が受けられ、本日諸軍|先手《さきて》....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
う処に沼南の政治家的面目が仄見える心地がする。 沼南の五十年の政治家生活が終に
台閣の椅子を酬いられなかったのは沼南の志が世俗の権勢でなかったからばかりではない....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
鹿鳴館時代のダンス熱はこれどころじゃなかった。尤も今ほど一般的ではなかったが、上
台閣の諸公から先きへ立って浮れたのだから上流社会は忽ち風靡された。当時の欧化熱の....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
違いで事は色々に見えてくるものよ。井上君、君にはもう隠す必要はあるまいと思うが、
台閣よりの命令に依り常野の兵追討の任を田沼様が受けられ、本日諸軍|先手《さきて》....
「三国志」より 著者:吉川英治
だしく宮門へ向って参内して来た。 禁衛の門へかかると、 「帝には、今日、どこの
台閣においで遊ばすか」 と、家臣をして、衛府の吏に問わせた。 「ただ今、大廟に....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
餌には、右往左往するのがつねだ。そこが武家操縦をねらう公卿のツケ目でもあり、公卿
台閣の誇りでもあった。 「……だのに?」 藤房は、胸ぐるしくなった。相手には欲....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
さようか」 終始、高時は、彼のさわやかな弁に、こッくりしていた。 ここ柳営の
台閣にばかりいて、久しく道誉を見てないうちに、彼の耳にも“反道誉”の声が、だいぶ....