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「台顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

台顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:渡辺温
です……」 「まあ!……でも、無理もありませんわ。十五年もあわずにいて、しかも舞台顔で、名前までまるっきり変って別の名前なのでございますからね。それに兄だって、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と錦祥女と、唐人と唐女が出る。錦祥女は小三の弟子の小三津というのが勤めていた。舞台顔で本当の年を測るのはむずかしいが、小三津はせいぜい二十四五であるらしく、眼鼻....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
芝居の時にどうしてか、おなじお腰元でも少し性根のある役が付きまして、その美しい舞台顔がわたくしどもの眼に初めてはっきりと映りました。奥様も可愛らしい役者だと褒め....
斜陽」より 著者:太宰治
か? ああ、あ、ですか?」 と乗り出してたずねているひとは、たしかに私もその舞台顔に見覚えのある新劇俳優の藤田である。 「ああ、あ、だ。ああ、あ、チドリの酒は....
初冬の日記から」より 著者:寺田寅彦
はこれから見に行こうとしている明治座の喜劇に出演する筈のその当人であるらしい。舞台顔は数回、但しいつもだいぶ遠方の二等席からではあるが、見たことがあり、演芸の雑....
役者の一生」より 著者:折口信夫
、気分で見物人を圧して行く。それは容貌に依ってである。役者は五十を過ぎてから、舞台顔が完成して来る。芸に伴って顔の輪廓が、人生の凋落の時になって整って来る。普通....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
専門の綺麗な児で、忠臣蔵の小浪や三代記の時姫などを勤めていたのですが、なにしろ舞台顔もよし、小手も利くもんですから、これがまた大変の人気役者で、女客の七分はこの....
役者の顔」より 著者:木村荘八
見すべし」というのがあります。これは見識もさることながら、昔はこの「地顔」と「舞台顔」を分けること、それが却って「役者渡世」の定法だったものでしょう。 云うこ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
因習 四代目芝翫 江戸時代の人気――団菊左を圧倒――新時代に適応せず――芝翫の舞台顔――得意の舞踊劇 子供芝居 子供芝居の復活――人気の絶頂――芝子丸の鬼一――....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
たが、ふりかえって、ニッコリ笑った。――そのニッコリがまたばかに絢爛、菊之丞の舞台顔を明りで見たよう。 「もし、これを、傘を――」 「ア」女は遠くでうなずいた。....
私本太平記」より 著者:吉川英治
しかも、板の上の藤夜叉は、まだ一ト振りの鈴も鳴らさず、足も踏まず、その白い白い舞台顔は、泣くかのような眉をしていた。 振鈴が鳴り、それにつれて、舞台の彼女はい....