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「右から左〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

右から左の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
渾沌《こんとん》と暗く固まった物のまわりを飽きる事もなく幾度も幾度も左から右に、右から左に回っていた。こうして葉子にとっては長い時間が過ぎ去ったと思われるころ、....
美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
しにひとつ、大道でしん粉細工をはじめてやれ。』 一度考へると、決断も早いがすぐ右から左へやつてしまふ気性である。で彼は、早速小さい車を註文した。そしてその車の....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
れたのであった。コペルニクスの説いた通りすべての遊星は、太陽の北極の方から見ると右から左へ回っている。それと同様にまた太陰は地球を、ガリレオの発見した木星の衛星....
間諜座事件」より 著者:海野十三
を左に傾けているうちに、急に驚いたように首を右に傾け直すのだった。首を、その逆に右から左へ傾け直す行動は自然に円滑に行われるのだった。唯左に曲っている首を右に傾....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
に知らない。したがって屁理窟と机上の空論がむやみと多くなる。他人の思想をそのまま右から左に受けついで蓄音器となる人や、他人の考えを筆にしてタイプライターとなる人....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
た。まだその雲ののび切っていない方向へ全速力でとばせた。が、白い雲は意地わるく、右から左から、また上から下からと、白いゴム布をのばしたようにのびていった。しかも....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
かにしかも凄じく、うう、おお、と呻って、三崎街道の外浜に大|畝りを打つのである。右から左へ、わずかに瞳を動かすさえ、杜若咲く八ツ橋と、月の武蔵野ほどに趣が激変し....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、お雪の姿を隠したは、この家の内に相違ないぞ、這奴! 小川山の妖怪ござんなれと、右から左へ、左から右へ取って返して、小宮山はこの家の周囲をぐるぐると廻って窺いま....
露肆」より 著者:泉鏡花
、三銭でエ差上げますウ、剪刀、剃刀磨にイ、一度ウ磨がせましても、二銭とウ三銭とは右から左イ……」 と賽の目に切った紙片を、膝にも敷物にもぱらぱらと夜風に散らし....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
たの体からは丁度神さまのように光明が射します……。』 そんなことを言いながら、右から左からしげしげと私の姿を見まもるのでした。これも生みの母なればこそ、と思え....
幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、熱のたかいときのように、ひょいととびあがりました。そうしてすぐと手を動かして、右から左へ三角をこしらえて、それから胸にさわってまだなくさずに持っているかどうか....
街頭」より 著者:岡本かの子
百貨店の大きな出庇の亀甲形の裏から金色の光線が頸の骨を叩き付けるほど浴せかける。右から左から赤や水色の紫外光線が足元を掬う。ここでは物は曖昧でいる事は許されない....
註文帳」より 著者:泉鏡花
銘のあるのを吸いつける。 五助は背後向になって、押廻して三段に釣った棚に向い、右から左のへ三度ばかり目を通すと、無慮四五百挺の剃刀の中から、箱を二挺、紙にくる....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を描く苦辛は新聞記事には無用の徒労である。この点において何事も深く考え細さに究め右から左から八方から見て一分の隙もないまでに作り上げた二葉亭の原稿は新聞材料とし....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
逡巡して容易に決行出来なかった。実行家となるには二葉亭は余りに思慮が細か過ぎた。右から左から縦から横から八方から只見うこう見て卯の毛で突いたほどの隙もないまでに....