右する[語句情報] »
右する
「右する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
右するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
しよう。指一本詰めないようにしよう。ほんの些細《ささい》なことがその日の幸福を左
右する。――迷信に近いほどそんなことが思われた。そして旱《ひでり》の多かった夏に....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
する機微が紙一枚の際どさに残されたけれども、今聴いた音響こそは、まさしくそれを左
右する鍵のように思われた。この重大な発見を最後に、三人は人形の室を出て行ったので....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
のだからね。だから、事件の複雑さを増す戯曲的な色彩にはなっても、とうてい本質を左
右するものじゃない。ねえ法水君、捜査官が猟奇的な興味を起したばかりに、せっかく事....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
、煙草の火附に非常に便利がられた。また明治の初年には龕燈提灯という、如何に上下左
右するも中の火は常に安定の状態にあるように、巧に造られたものがあったが、現に熊本....
「ラジオ・ドラマ私見」より 著者:岸田国士
話は、一般のドラマと同じくらい、ラジオ・ドラマに於いても、作品の本質的な生命を左
右するものである。 対話が活きていないということで、対話に生彩がないということ....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
脱して余事に奔走すること、既に好ましくないが、更に憂うべきことは、軍人が政治を左
右する結果は、若し一度戦争の危機に立つ時、国民の中には、戦争が果たして必至の運命....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
な処へ導かれて来て、こんな怪物共に取囲れたからは、自分の智恵や力で自分の運命を左
右する訳には行かぬ。運を天に任すと云うのは、洵に今のお葉の身の上であった。 窟....
「城」より 著者:カフカフランツ
と、それが人びとにどう判断されるかということについては、わたしはもちろんそれを左
右するなんの力ももちませんでした。ただ、それが実際になされたままに受け取られるこ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
言った。 「そうなんだ」と、Kは言った。「それに、あの男はおそらく訴訟の結末を左
右する力は持たないとしても、予審にはそいつができそうなだけに、心配しなくちゃいけ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
より多くネーチュンなる神下しを恐れて居る。チベット政府の政権はこのネーチュンの左
右するところであるというても過言でない位である。もっとも今の法王は余程果断な人で....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
、後鳥羽上皇の院別当となって仙洞御所の実権を握り、卿二品という女傑と結んで政を左
右する。それに対して九条家は手も足も出なかった。九条家が勢力を得たのは建仁二年十....
「近頃感じたこと」より 著者:小川未明
。一歩内面的なる、思想、人格、教化の如きに至っては、いかに強権の力でも、容易に左
右することはできないのであります。 思うに、このことは、たゞ児童等の反省と自治....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
侍の階級を見ざる時なり。非人三党の輩たりといえども、守護・国司の望をなすべく、左
右する能はざるものなり」とある。この土民とは農民で、もとの天下の公民として、家人....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
土民、侍の階級を見ざるの時なり。非人三党の輩といへども守護国司の望をなすべく、左
右する能はざるものなり」とも、また「近日は由緒ある種姓は凡下に下され、国民は立身....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
心が逐次不安となって来た。この影響はただちに治安の上に現われ、満州軍の心理をも左
右するのである。満州軍は要は満州国の鏡とも見る事が出来る。 支那事変に於ける漢....