右に出る[語句情報] » 右に出る

「右に出る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

右に出るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
ら顔の大男で、文武の両道に秀《ひい》でている点では、家中《かちゅう》の侍で、彼の右に出るものは、幾人もない。そう云う関係上、彼はこれまで、始終修理に対して、意見....
人間失格」より 著者:太宰治
焼とりの安価にして滋養に富むものたる事を説き、酔いの早く発するのは、電気ブランの右に出るものはないと保証し、とにかくその勘定に就いては自分に、一つも不安、恐怖を....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
あった。うまいとも、辛辣とも言ってみようのない、こんな言い廻しにかけて当時同君の右に出るものはなかった。しかし、東京の知人等からも離れて来ているわたしに取っては....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
を止めることもできない。およそ人の昇進に何がうらやましがられるかと言って、監察の右に出るものはない。その人を得ると得ないとで一代の盛衰に関する役目であることも想....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
このノルムに従えば、一切の他のものはこのノルムに一致する点に於て、常識それ自身の右に出ることの出来ないのは当然だ。だからここでは常識が最高であって、常識以上のも....
認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
理の具体普遍説と呼んでおこう。 ヘーゲルの具体的普遍を悪むことW・ジェームズの右に出るものはいない。彼によるとヘーゲルこそ抽象的な概念と固定した体系との代表者....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
化上のスローガンとなれそうなものは、恐らくさし当り現在の処、「ヒューマニズム」の右に出るものはないように考えられる。――事実、こうした限定を有つ「ヒューマニズム....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》にかかって命を落した奴が二千人からある、人を殺すことにかけては、当時この道庵の右に出る奴は無《ね》え……人を見損なうと承知しねえぞ」 といって、起き上ると、ひ....
促織」より 著者:田中貢太郎
を飼って、自分で蟹殻青という名をつけ、毎日他の少年達と虫あわせをしていたが、その右に出るものがなかった。そこでその少年は利益を得ようと思って、その値を高くしたが....
脱出と回帰」より 著者:中井正一
何といっても、手力男の命が、あの巌壁を開く時、さしはじめる光の、あの強烈な感じの右に出るものはあるまい。あの伝説、暗さへの没入、それからの回復、この構成の中に注....
大阪の可能性」より 著者:織田作之助
し難いものかも知れない。 文壇で、女の会話の上品さを表現させたら、志賀直哉氏の右に出るものがない。が、太宰治氏に教えられたことだが、志賀直哉氏の兎を書いた近作....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
同氏得意のもので、世評も大したものであったらしく、私が見ても牙彫界恐らくこの人の右に出るものはなかろうと思いました。しかし、その人は知らない。またこの時に島村俊....
冬の鰍」より 著者:佐藤垢石
冬の美味といわれるもののうち鰍の右に出るものはなかろう。 肌の色はダボ沙魚に似て黝黒のものもあれば、薄茶色の肌....
かもじの美術家」より 著者:神西清
ィ・オニーシモヴナの言うところによると、「顔に趣向を凝らす」ことにかけては、彼の右に出るものは誰一人なかった。 一体どのカミョンスキイ伯爵の代に、そうした二人....
三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
は極めて不器用であったが、頭脳の透明と敏感と優秀である点に於いては、級中で、私の右に出る者は勿論無かったし、博士も私には遥かに及ばなかったから。 笠松博士はそ....