右より[語句情報] »
右より
「右より〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
右よりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
中軍《ちゅうぐん》の卒を率いて進みて大唐の軍を伐《う》つ。大唐、便《すなわ》ち左
右より船を夾《はさ》みて繞《めぐ》り戦う。須臾《とき》の際《ま》に官軍《みいくさ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、このまま寝ようよ。どうせ台なしなんだから。」 と云ったと思うと、隔ての襖の左
右より、中ほどがスーと開いたが、こなたの十畳の京間は広し、向うの灯も暗いから、裳....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
に重い大小をさしているので、自然の結果として左の足が比較的に発達している。足首も
右より大きい。裸でいるところを見届けたのだから間違いはないと半七は云った。 「じ....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
すわいくさに勝ちたるぞとて姉川を渡りて左岸に殺到したところ、徳川勢ひき寄せて、左
右より之れを迎え撃った。酒井忠次、榊原康政等は姉川の上流を渡り、朝倉勢の側面から....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
げぬな! 不届者めがッ。それにて直参旗本の職分立つと思うか! たわけ者めがッ。治
右よりその方の不埓、逐一きいたぞ。お紋を何と心得ておる! 言うも憎い奴じゃ! 顔....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
、また薄の中より、このたびは一領の天幕を引出し、卓子を蔽うて建廻す。三羽の烏、左
右よりこれを手伝う。天幕の裡は、見ぶつ席より見えざるあつらえ。)お楽みだわね。(....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
惚れたの、おかしいなあ。」 しのぶ手を拍きて遁げながら言う。 哄と笑いて、左
右より立懸り、小稲と重子と手と手を組みつつ、下より掬いて、足をからみて、われをば....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
遠くで、神楽の笛がひびいている。街は人々のさざめきに充ち溢れている。 男1 (
右より)ええ、そこを偶然この私が通りかかったと云うわけなのですよ。 男2 ほう。....
「平家蟹」より 著者:岡本綺堂
玉虫 おお、能登どのか。今宵は知盛の卿に先を越されましたぞ。(打笑む。) (左
右よりつづいて二三匹、四五匹の蟹あらわれいず。) 玉虫 おお、教盛の卿、行盛の卿....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
りましょう。 使女B そのお美しい御様子を、風流の方々へお見せ遊ばしませ。(と左
右より手を取る。奥にて笑声) 女子 (取られし手を払い)私は奥へは行きはせぬ。 ....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
また一しきり、刻むがごとき戸外の風。 予はあわただしく高津を呼びぬ。二人が掌左
右より、ミリヤアドの胸おさえたり。また一しきり、また一しきり大空をめぐる風の音。....
「山吹」より 著者:泉鏡花
留守は退屈だ――ああ太鼓が聞える。…… この太鼓は、棒にて荷いつりかけたるを、左
右より、二人して両面をかわるがわる打つ音なり、ドーン、ドーンドーン、ドーンと幽に....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
て、 「エ、」 「さようさ。」 衆議一決。 両人あり、その時、挟んでお夏の左
右より、斉しく袖を引いて、 「さあ放した、退かないか。」 「余り強情を張りなさり....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
かけてあった。とお杉はこれをいって今もさめざめと泣くのである。 五助、作平は左
右より、焦って二ツ三ツ背中をくらわすと、杉はアッといって、我に返ると同時に、 「....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
伝法院」の裏門がもとはああしたいかめしいものではなかった。いまの、もっと、向って
右よりに、屋根もない、「通用門」といった感じのごくさびしい雑な感じのものだった。....