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「右手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

右手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
た動かして、気違いのように、悲鳴を上げる――と、老人は、左手に女の髪をつかんで、右手に口の欠けた瓶子《へいし》を、空ざまにさし上げながら、その中にすすけた液体を....
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
何でもない。何にも可笑しいことはありません。――」 玄鶴はまだ笑いながら、細い右手を振って見せたりした。 「今度は………なぜかこう可笑しゅうなってな。………今....
河童」より 著者:芥川竜之介
ちょうど一月《ひとつき》ばかり前にわたしの万年筆を盗んだのですから。」 巡査は右手の棒をあげ、(この国の巡査は剣《けん》の代わりに水松《いちい》の棒を持ってい....
野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
すると、大名の人形が、左手《ゆんで》を小さ刀《がたな》の柄《つか》にかけながら、右手《めて》の中啓《ちゅうけい》で、与六をさしまねいで、こう云う事を云いつける。....
おしの」より 著者:芥川竜之介
はおり》を素肌《すはだ》に纏《まと》い、枝つきの竹を差《さ》し物《もの》に代え、右手《めて》に三尺五寸の太刀《たち》を抜き、左手《ゆんで》に赤紙の扇《おうぎ》を....
老年」より 著者:芥川竜之介
音でなし。」と小川の旦那が呟《つぶや》いた。足をとめてきいていると声は、どうやら右手の障子の中からするらしい。それは、とぎれ勝ちながら、こう聞えるのである。 「....
葬儀記」より 著者:芥川竜之介
れ以上には腹もたたなかった。接待係の人が止《と》めたが、やめないらしい。やっぱり右手で盛なジェステュアをしながら、死は厳粛であるとかなんとか言っている。 が、....
少年」より 著者:芥川竜之介
どこか西洋の風景画である。時刻はもう日の暮に近い頃であろう。三日月《みかづき》は右手の家々の空にかすかに光りを放っている。その三日月も、家々も、家々の窓の薔薇《....
将軍」より 著者:芥川竜之介
彼の手を握った。それから堀尾《ほりお》一等卒へ、じろりとその眼を転ずると、やはり右手をさし伸《の》べながら、もう一度同じ事を繰返《くりかえ》した。 「お前も大元....
二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
の肩ごしに、読んでいる本を一瞥《いちべつ》致しました。本はバイブルで、その人物の右手の指は「爾《なんじ》の墓を用意せよ。爾は死すべければなり」と云う章を指さして....
忠義」より 著者:芥川竜之介
は「首構《くびがまえ》七寸程、左肩《ひだりかた》六七寸ばかり、右肩五寸ばかり、左右手四五ヶ所、鼻上耳脇また頭《かしら》に疵《きず》二三ヶ所、背中右の脇腹まで筋違....
百合」より 著者:芥川竜之介
こうとした。すると金三は「こっちだよう」と一生懸命に喚《わめ》きながら、畑のある右手へ走って行った。良平は一足《ひとあし》踏み出したなり、大仰《おおぎょう》にぐ....
或る女」より 著者:有島武郎
けた煉瓦《れんが》壁の陰に汽車が停《と》まると、中からいちばん先に出て来たのは、右手にかのオリーヴ色の包み物を持った古藤だった。葉子はパラソルを杖《つえ》に弱々....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
たことでございました。 もう一つ爰の景色の中で特に私の眼を惹いたものは、向って右手の山の中腹に、青葉がくれにちらちら見える一つの丹塗のお宮でございました。それ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
に挨拶し、友人が来ると、「よくお出で」と言い、講堂では前列の椅子に腰掛け、講師の右手の所に陣取る。講演を聞きながら、時々前にかがみ、講演がすむと、周囲の人々に「....