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吁
「吁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吁の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
濡れて、眼眩《めまぐる》しい程咲き乱れていたが、姫は又もやお話の事を思い出して、
吁《ああ》、あの花が皆|善《い》い魔物か何かで、一ツ一ツに面白い話しを為《し》て....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
ています。かの infinite longing ですらこれを叙述する時には単に
吁《ああ》とか嗟乎《ああ》では云いつくせないので、不足ながら客観的形相をかりてこ....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
四人が四隅をひっぱって、鋲で卓子へとめるやら、うるさいことであった。一度は、 「
吁ッ、痛ッ!」 と松山が大声で叫んだので、みると、指の尖端を口中に入れて舐めて....
「振動魔」より 著者:海野十三
その本名を此処に真正直に書きたてるならば、それが余りにも有名な人物なので、読者は
吁ッと驚いてしまうだろう。それにも拘らず、敢えてジャーナリズムに背き、彼の本名を....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
ブルブルブルと一竦みに飛び上った彼は、湯槽の縁に手をかけて出ようとした瞬間、 「
吁ッ!」 という叫びと共に、彼の体は再び湯の中に転倒してしまった。全身に数千本....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
れ……」と大尉は、向うから箸をのばして、星宮理学士の壺焼の中を摘もうとした。 「
吁ッ、川波大尉」駭いたように軍医はそれを遮った。「まだ栄螺は、こっちにもドッサリ....
「運命」より 著者:幸田露伴
死せしむるに至りしも、亦益無きのみ。帝、金川門の守を失いしを知りて、天を仰いで長
吁し、東西に走り迷いて、自殺せんとしたもう。明史、恭閔恵皇帝紀に記す、宮中火起り....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
であった。消息こそせね、夫婦は一日も粕谷の一日一夜を忘れなかった、と書いてある。
吁彼女は死んだのか。友の妻になれと遺言して死んだ先夫の一言を言葉通り実行して恋に....
「曙覧の歌」より 著者:正岡子規
、その裏面には実に万斛《ばんこく》の涕涙《ているい》を湛《たた》うるを見るなり。
吁《ああ》この不遇の人、不遇の歌。 彼と春岳との関係と彼が生活の大体とは『春岳....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
を持った煙の霽れゆく間から本堂のあたりと覚しき跡に眼を移したものは、思わず、 「
吁ッ」と叫んで、顔をそむけた。 門内に居た五百人の親戚や名士達は一人として生き....
「案内人風景」より 著者:黒部溯郎
と、五十パーセントの勇気で包みながら。 俄然、彼氏の縋った岩角がもろくも砕けて
吁っと思う間もなく、足を踏みはずしてしまった。続いて彼女が必死の悲鳴を挙げた。彼....