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吃
「吃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
》した母に少年らしい情熱を感じていた。彼は確かある年の秋、僕の顔を見るが早いか、
吃《ども》るように僕に話しかけた。
「僕はこの頃僕の妹が(妹が一人あったことはぼ....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
年の秋以来忘れたように、ばったり痛飲を試みなくなった。いや、痛飲ばかりではない。
吃喝嫖賭《きっかつひょうと》の道楽にも、全然遠のいてしまったのである。趙生を始め....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
か知っているかね。え。お前はどうだい。」
「関係――関係名詞。」
給仕の一人が
吃《ども》りながら、こう答えた。
「何、関係名詞? 関係名詞と云うものはない。関....
「路上」より 著者:芥川竜之介
の梯子段の手すりへ跨《またが》って、辷《すべ》り下りようとなさるんでしょう。私|
吃驚《びっくり》して、墜《お》ちて死んだらどうなさるのって云ったら――ねえ、民雄....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
初の目的から段々に堕落した。心の要求が言葉を創った。然し今は物がそれを占有する。
吃る事なしには私達は自分の心を語る事が出来ない。恋人の耳にささやかれる言葉はいつ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
手近な海を見下しながら、草の緑の水が徐ろに高くなり低くなり、黒ペンキの半分剥げた
吃水を嘗めて、ちゃぶりちゃぶりとやるのが、何かエジプト人でも奏で相な、階律の単調....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
。ちょッ、可厭に煩く笛を吹くない。」 かたりと門の戸を外から開ける。 「ええ、
吃驚すら。」 「今晩は、――饂飩六ツ急いでな。」と草履穿きの半纏着、背中へ白く月....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
く、階子段の暗い穴。 小村さんも私も慄然した。 女房はなおの事…… 「あれ、
吃驚した。」 と膝で摺寄る。 藤助は一笑して、 「まずは、この寸法でございま....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
て。――こちらは、それと聞きますと、お大名か、お殿様が御微行で、こんな破屋へ、と
吃驚しましたのに、「何にも入らない。南画の巌のようなカステーラや、べんべらものの....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
云った、浴衣の胸は呼吸ぜわしい。 「どうしたんです、何を買っていらしったんです。
吃驚するほど長かった。」 打見に何の仔細はなきが、物怖したらしい叔母の状を、た....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
かいやだって外国にでも行っちまうんでしょう。おだいじにお暮らしなさい。戸部さんは
吃りで、癇癪持ちで、気むずかしやね。いつまでたってもあなたの画は売れそうもないこ....
「「ああしんど」」より 著者:池田蕉園
さんは、炬燵へ煖って、眼鏡を懸けて、本でも見ていたんで御座いましょうね。 で、
吃驚致しまして、この猫は屹度化けると思ったんです。それから、捨てようと思いました....
「活人形」より 著者:泉鏡花
と立ち、「勾引の罪人、御用だッ。と呼ばわれば、八蔵もまた何とかしけむ、「ええ、と
吃驚身を飜がえして、外へ遁出し雲を霞、遁がすものかと銀平は門口まで追懸け出で、前....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
。』 漁『それなら好いが……。松さんの前で、そう言っちゃ何だが、でも船頭に限って
吃度忘れ物をするのでね。水を忘れた、餌入を忘れた、焚付を忘れたなんて、忘れ物をさ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
廻して見るとその中から小判がどっさり出て来ました。それを見て、多助も太郎右衛門も
吃驚してしまいました。 「何んて魂消た話しだ!」と多助は青い顔をして太郎右衛門を....