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合せ
「合せ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
合せの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
「あれは先月の幾日だったかな? 何でも月曜か火曜だったがね。久しぶりに和田と顔を
合せると、浅草へ行こうというじゃないか? 浅草はあんまりぞっとしないが、親愛なる....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
かたち》は瀬沼兵衛に紛《まぎ》れなかった。左近は一瞬間ためらった。ここに求馬が居
合せないのは、返えす返えすも残念である。が、今兵衛を打たなければ、またどこかへ立....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
《とら》われたと云うのは、天寵《てんちょう》の厚い証拠ではないか? 彼等は皆云い
合せたように、こう確信していたのである。役人は彼等を縛《いまし》めた後《のち》、....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
ぎたいと思うはずはない。けれどもあるお嬢さんの記憶、――五六年|前《まえ》に顔を
合せたあるお嬢さんの記憶などはあの匂を嗅ぎさえすれば、煙突から迸《ほとばし》る火....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
うだから、可笑《おか》しいじゃありませんか。」
藤左衛門と忠左衛門とは、顔を見
合せて、笑った。復讐の挙が江戸の人心に与えた影響を耳にするのは、どんな些事《さじ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
の輝いたのはこの時である。
「さようでございますか? そうして頂ければ何よりの仕
合せでございます。」
神父は優しい感動を感じた。やはりその一瞬間、能面《のうめ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
でよろしい。」
二十前後の支那人は満足の微笑を浮かべながら、爪の長い両手をすり
合せている。半三郎はぼんやり彼の脚を眺めた。するといつか白ズボンの先には太い栗毛....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
《とら》のように黒と黄とだんだらの海水着を着た、軽快な後姿を見送ると、いつか言い
合せたように微笑していた。
「彼女たちもまだ帰らなかったんだな。」
Mの声は常....
「運」より 著者:芥川竜之介
い何ものかを、感じてでもいるような容子《ようす》である。
「とにかく、その女は仕
合せ者だよ。」
「御冗談で。」
「まったくさ。お爺さんも、そう思うだろう。」
「....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
略は、すぐに見破られてしまうでしょう。ですから妙子は一生懸命に、震える両手を組み
合せながら、かねてたくんで置いた通り、アグニの神が乗り移ったように、見せかける時....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
。こんな慌しい書き方をした文章でも、江口を正当に価値づける一助になれば、望外の仕
合せだと思っている。....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
。翌日は先ず観音へ案内し、次の日は上野と、三四日して「さてこれよりよき学校を聞き
合せ申すべし、あなたにも心掛けたまえ、それ迄は狭くとも堪てここに居りたまえ」と頼....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。他は油のような物であった。デビーの友人のパリスという人が丁度このとき実験室に来
合せて、それを見て戯談半分に、「油のついている管を使ったからだ。」と言った。 ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
か、裏切られて復讐をした話などをするようなことでもあると、彼女たちは二人とも云い
合せたように、声をくもらせてこう云うのでした。 「まあ、そんなになるまでには、さ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
い児なので、みんな驚いてしまいました。そして、 「太郎右衛門さんとこあ、なんて仕
合せだんべい。」 と口々に言いはやしながら帰りました。 これまで太郎右衛門の家....