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合の子
「合の子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
合の子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
ま》図絵を出して頁をへぐって説明して呉れたりした。地図と鳥瞰図《ちょうかんず》の
合の子のようなもので、平面的に書き込んである里程や距離を胸に入れながら、自分の立....
「新生」より 著者:島崎藤村
」と節子は自分の懐を掻合《かきあわ》せるようにした。「だからあなたは大人と子供の
合の子だなんて言われるんですよ――コドナだなんて」
「コドナには困ったねえ」と婆....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
ものか、ネエ寧児、此子の名前は日本人の様で呼び易くッて好い事ネ隣館の子は矢ッ張り
合の子で珍竹林と云うのだよ可笑いじゃ無いかネエ、だから私が一層の事寧次郎とするが....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
て哀みを乞うようになると予言したものもあった。又雑婚が盛んになって総ての犬が尽く
合の子のカメ犬となって了ったように、純粋日本人の血が亡びて了うと悲観した豪い学者....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
悲劇を感じる私はこの自殺の一幕に一種の喜劇を感得する。しかし、もしかするとその場
合の子規の絶叫はやはりある意味での「笑い」ではなかったか。これを演出しこれを書い....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
何の疑うところもないような風で答えた。 「ハァ、奴等は僕をイギリス人と支那人との
合の子とでも思っているんだな。」 僕はこれはいい具合だなと思いながら、そのボー....
「海底都市」より 著者:海野十三
醜怪《しゅうかい》な形をしていて魚らしくなかった。魚と両棲類《りょうせいるい》の
合の子としか見えなかった。 ふだんは何一つ光の見えないこの深海にも、ちゃんと楽....
「病院風景」より 著者:寺田寅彦
、谷中のお寺に下宿していた学生時代に、時々昼食を食いに行った。オムレツと焼玉子の
合の子のようなものが、メニューの中にあった。「味つき」と「味なし」と二通りあった....
「母の上京」より 著者:坂口安吾
増しに荒れ果てた心に落ちるのに比べれば、二十二のヒロシはまだ十七八のお酌と一本の
合の子ぐらゐにウブなところが残つてゐた。それは貞操に関する自覚の相違によるものだ....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
一面に生えているので、俗に黒ん坊と呼び慣わしているのであって、まずは人間と猿との
合の子ともいうべき怪物である。しかもこの怪物は人間に対して危害を加えたという噂を....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
の有閑家庭を描いたものであって、それだけに純大阪の言葉ではない。大阪弁と神戸弁の
合の子のような言葉が使われているから、読者はあれを純大阪の言葉と思ってはならない....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
。当年の郡長様も郷里では鳥打帽にモンペという出で立ちだ。モンペとは袴とズボンとの
合の子で、雪国にはなくてはならぬもの。地方によって多少作り方も違い、タチツケ、あ....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
く我々の共同の祖先と申してよろしい。こういうことを申しますと、なんだか日本民族は
合の子民族であるという様に御感じになって、或いは不快に思われるかしれませぬが、世....
「特殊部落の言語」より 著者:喜田貞吉
をなしているのである。 また江戸の様に諸国人の多く入り込む所には、自然と一種の
合の子言葉が出来る。自然淘汰優勝劣敗の原則がここにも行われて、適者優者が生存して....
「山椒魚」より 著者:北大路魯山人
よくしたような味で、非常に美味であった。汁もまた美味かった。 すっぽんとふぐの
合の子と言ったら妙な比喩であるが、まあそのくらいの位置にある美味と言うことができ....