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「合掌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

合掌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、身ぶるいが出ずには居《お》られません。そこで私もとうとう我慢が出来なくなって、合掌した手をさし上げながら、眼をつぶって恐る恐る、「南無《なむ》天上皇帝」と称《....
尼提」より 著者:芥川竜之介
!」 如来が雷音《らいおん》に呼びかけた時、尼提は途方《とほう》に暮れた余り、合掌《がっしょう》して如来を見上げていた。 「わたくしは賤《いや》しいものでござ....
おしの」より 著者:芥川竜之介
の下《もと》に泣き惑《まど》ったマリヤや弟子たちも浮き上らせている。女は日本風に合掌《がっしょう》しながら、静かにこの窓をふり仰いだ。 「あれが噂《うわさ》に承....
高野聖」より 著者:泉鏡花
めてならなんだから、」 と宗朝はやはり俯向《うつむ》けに床《とこ》に入ったまま合掌《がっしょう》していった。 「それでは口でいう念仏にも済まぬと思うてさ。」 ....
追憶」より 著者:芥川竜之介
辺には人間よりも化け物に近い女が一人、腰巻き一つになったなり、身投げをするために合掌していた。それは「妙々車」という草双紙の中の插画だったらしい。この夢うつつの....
薬草取」より 著者:泉鏡花
と坐した。 かくて胸なる紅の一輪を栞に、傍の芍薬の花、方一尺なるに経を据えて、合掌して、薬王品を夜もすがら。....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
かる、頑冥暴虐の民を知らん! 天に、――天に銀河白し、滝となって、落ちて来い。(合掌す。) 晃 大事な身体だ、山沢は遁げい、遁げい。 と呼ばわりながら、真前に石....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
か。 薄色の桃色の、その一つの紅茸を、灯のごとく膝の前に据えながら、袖を合せて合掌して、「小松山さん、山の神さん、どうぞ茸を頂戴な。下さいな。」と、やさしく、....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
―旅僧はその時、南無仏と唱えながら、漣のごとき杉の木目の式台に立向い、かく誓って合掌して、やがて笠を脱いで一揖したのであった。―― 「それから、婆さんに聞きまし....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
自動車へ入ろうとして、ぎろりと我が銑吉を視て、胸さきで、ぎしと骨張った指を組んで合掌した……変だ。が、これが礼らしい。加うるに慇懃なる会釈だろう。けれども、この....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
およそ百ばかりに震えて重い。いまにも胴中から裂けそうで、串戯どころか、その時は、合掌に胸を緊めて、真蒼になって、日盛の蚯蚓でのびた。叔父の鉄枴ヶ峰ではない。身延....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
しいかなその念の深く刻めるや、おのが幾年の寿命を縮め、身をもて神仏の贄に供えて、合掌し、瞑目して、良人の本復を祈る時も、その死を欲するの念は依然として信仰の霊を....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
呆れない訳にはまいりませんでした。お暇乞いの為めに私が滝の竜神さんの祠堂に向って合掌瞑目したのはホンの一|瞬間、さて眼を開けると、もうそこはすでに滝の修行場でも....
活人形」より 著者:泉鏡花
「もう聞とうない、言とうない。さあお殺し。と口にて衣紋を引合わせ、縛られたるまま合掌して、従容として心中に観音の御名を念じける。 その時得三は袖を掲げて、雪よ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
いては臣民に翼賛の道を広め給うておるのであるけれども、統帥、政治は天皇が完全に綜合掌握遊ばさるるのである。これが国体の本義である。 政府および統帥府は政戦両略....