合方[語句情報] » 合方

「合方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

合方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
あい》がぼうん、向う河岸で紙砧《かみぎぬた》の音、裏田圃で秋の蛙《かわず》、この合方《あいかた》よろしくあって幕という寸法だろう。どうだ、どうだ」 「見料五十文....
鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
う註文がきたというのである。待っていた機会がいよいよ来た訳である。見張を出して川合方の様子を見せると、立ちそうだという。四人は支度を整えて一行の跡をつける事にし....
婦系図」より 著者:泉鏡花
午後、宮ヶ崎町の方から、ツンツンとあちこちの二階で綿を打つ音を、時ならぬ砧の合方にして、浅間の社の南口、裏門にかかった、島山夫人、早瀬の二人は、花道へ出たよ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
けてある二階建ての小楼で、青山の本家からもすこし離れた馬籠の裏側の位置にある。落合方面から馬籠の町にはいるものは、旧本陣の門前まで出ないうちに街道を右に折れ曲が....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
む、石炭を積んだ大八車の通るのさえ、馬士は銜煙管で、しゃんしゃんと轡が揺れそうな合方となる。 絶えず続いて、音色は替っても、囃子は留まらず、行交う船脚は水に流....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ろりと酔うと、誘えば唄いもし、促せば、立って踊った。家元がどうの、流儀がどうの、合方の調子が、あのの、ものの、と七面倒に気取りはしない。口|三味線で間にあって、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るまい…… そこで一行の駕籠が、朝まだきの活劇を一幕残して、東海道の並木の嵐を合方《あいかた》に、大はまの立場《たてば》も素通りをしてしまいました。 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の百という役者が、充分カセに使った道具立てなのですが、ここにも兵馬のために有力な合方となってくれます。 兵馬は、柳の蔭から透《すか》して、大道で倒れて苦しがっ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
と咽《むせ》び泣き、ふたり相擁して泣く男女の二部合奏。 出端《でばな》に聞いた合方《あいかた》がまた聞けるわい。陶然として酔うた竜之助は、それを興あることに聞....
市川九女八」より 著者:長谷川時雨
》に菰《こも》をかぶって丸くなる。それぞれの見得《みえ》、幕引くと、九女八起上り合方《あいかた》よろしくあって、揚幕《あげまく》へ入る―― 蚊のなくように、何....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
下座《げざ》が入る。三味線、太鼓、小鼓、それに木魚がつれて、禅《ぜん》のつとめの合方《あいかた》。 映し幕に、パッと明りがさし、色も鮮かに浮きあがった画面は、....
金狼」より 著者:久生十蘭
おあつらえむきの葦原、下手は土手場で木場につづくこころ、か……。木魚がはいって、合方が禅のつとめとくれあ、こりゃあ本イキだ。四手網にからんであがってくるのは血染....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
へ入ると、満場ただ祇園の桜。 花咲かば告げ むといいし山寺の…… ここの合方は、あらゆる浄瑠璃、勝手次第という処を、囃子に合わせて謡が聞える。 使は来た....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
『前太平記』を殆んどそのままに脚色したもので、やはり従来のチョボの浄瑠璃を用い、合方や鳴物を用い、台詞も主に七五調を用い、その形式は従来のものと変わらないのであ....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
ば思半《おもいなかば》に過《すぐ》るものあるべし。 江戸演劇は囃子、唄、鳴物、合方《あいかた》、床《ゆか》の浄瑠璃、ツケ、拍子木の如き一切の音楽及び音響と、書....