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合点
「合点〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
合点の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
もちろん、百数十行に亙《わた》る新聞記事さえ他人の気もちと応じない時にはとうてい
合点《がてん》のできるものではない。「彼」の言葉を理解するものはいつも「第二の彼....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
、皆帰ってくるからね。」
阿濃は、子供のように、うっとり沙金の顔を見て、静かに
合点《がてん》した。
「されば、行《ゆ》こう。ぬかるまいぞ、多襄丸《たじょうまる....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
かし実はわたくしを始め、鬼が島の鬼はあなた様にどういう無礼を致したのやら、とんと
合点《がてん》が参りませぬ。ついてはその無礼の次第をお明《あか》し下さる訣《わけ....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
っきりと眺められた。
「翁《おきな》とは何の翁じゃ。」
「おう、翁とばかりでは御
合点《ごがてん》まいるまい。ありようは、五条の道祖神《さえのかみ》でござる。」
....
「或る女」より 著者:有島武郎
ぶてを避けようともせずに突っ立つ人のように。
古藤は何か自分|一人《ひとり》で
合点したと思うと、堅く腕組みをしてこれも自分の前の目八|分《ぶ》の所をじっと見つ....
「或る女」より 著者:有島武郎
ておいて家を明ける事は常《つね》始終だった。ことにその夜は木村の事について倉地に
合点させておくのが必要だと思ったのでいい出された時から一緒する下心《したごころ》....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ちはようわかる。この子を助けようと思ったら何せ一心に天理王様に頼まっしゃれ。な。
合点か。人間|業《わざ》では及ばぬ事じゃでな」
笠井はそういってしたり顔をした....
「星座」より 著者:有島武郎
俺にかい」
園に顔を見つめられながら、半分は剽軽《ひょうきん》から、半分は実際
合点がいかない風でガンベは聞き返した。法螺《ほら》吹で、頭のいいことは無類で、礼....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
充分の力を君は持っている。そして彼らが彼らの導くような生活をするのは道理があると
合点がゆく。金があって才能が平凡だったら勢いああしてわずかに生の倦怠からのがれる....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
な事実は、明らかに一つの団体に属すると思われる一群の恒星が天の一方にある共通な集
合点に向かって、互いに並行な軌道を同様な速度で進行していることである。たとえばア....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
は?……」 貸本屋の客には今までほとんど例のない、ものの言葉に、一度聞返して、
合点んで、 「別にそうと限ったわけではございません。何でもよくお読みになりますの....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
入れたりしを、正綴にした今度の新版、さあさあかわりました双六と、だませば小児衆も
合点せず。伊勢は七度よいところ、いざ御案内者で客を招けば、おらあ熊野へも三度目じ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
。 はあ、長い間よ。 それでもようよう聞えたと見えてね、口をむぐむぐとさして
合点々々をしたから、また手間を取らないようにと、直ぐにね、銅貨を一つ渡してやると....
「蜜柑」より 著者:芥川竜之介
事は、暮色の中に枯草ばかり明い両側の山腹が、間近く窓側に迫って来たのでも、すぐに
合点の行く事であった。にも関らずこの小娘は、わざわざしめてある窓の戸を下そうとす....
「活人形」より 著者:泉鏡花
を見て、八蔵は手早く身支度整え、「どれ後を跟けましょう。「くれぐれも脱心なよ。「
合点だ。と鉄の棒の長さ一尺ばかりにて握太きを小脇に隠し、勝手口より立出しが、この....