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吉兆
「吉兆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吉兆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竜」より 著者:芥川竜之介
がらせせら笑って、『御坊は善い夢を見られたな。いやさ、竜の天上するなどと申す夢は
吉兆じゃとか聞いた事がござる。』と、鉢《はち》の開《ひら》いた頭を聳《そびや》か....
「幻談」より 著者:幸田露伴
まいに竿が手に入るなんてまあ変なことだなア。」 「竿が手に入るてえのは釣師には
吉兆《きっちょう》でさア。」 「ハハハ、だがまあ雨が降っている中《うち》あ出た....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ると、主人はおどろかず、たとい女にせよ、歳の始めに人の首を得たと云うのは、武家の
吉兆であると祝って、その首の祠を建てたという話があります。昔の武家はそんなことを....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
。セレベスとブトンでは、これを家に飼って崇敬した。アフリカの黒人も※家近く棲むを
吉兆として懼れず(シュルツェ著『フェチシスムス』五章六段)。バンカ島のマレー人は....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
安に感じていた糧食の問題が、案外好結果に解決されると、彼は自分の計画全部に対する
吉兆のように喜んだ。 アフラシャブの許に至急送られた密使も、二十日後、スーラー....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
小野臣大樹《おののおみおおき》が斬りおわると、もとの小麿となったとあれば、白犬も
吉兆と限らなんだのだ。後世に至っては、白犬は多く仏縁ありまた吉祥のものとされて居....
「十姉妹」より 著者:山本勝治
なんか来るもんかい。誰かてまだ二三年は受合や言うてるし、おれ(予想)みたんや、『
吉兆』と心の底で声がしたわい」 「そら分かってる。苦しいから鳥でもと思うのはよく....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うことを、まじめに信じているものがあるのですから、夜な夜な月色が紅に変ずるのを、
吉兆と見たり、悪瑞《あくずい》と見たりする者の出づるのも抑えることができません。....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
就いて云えばあまり大して問題ではない筈だと思うのだが、世間が之を以て左翼の崩壊の
吉兆だと見たがる処に、博士の没落の社会的な意味があるのだ。もしそうならば之は単に....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
年ロンドン発行、『人』雑誌一二二頁に、ギリシアのシクラデス諸島では、黒い諸動物は
吉兆、白いのは不祥と信ずと記す。一八五九年板『ノーツ・エンド・キーリス抄記』一二....
「七重文化の都市」より 著者:野上豊一郎
、ガウハル将軍は新都市の設計を完了して、砂原に繩張をし、占星者が天体を観測して、
吉兆の瞬間に鐘を鳴らせば、最初の鋤が入れられるように用意して、土工たちは合図の鐘....
「競漕」より 著者:久米正雄
史が出来上ってしまった。すべての偶然が必然性を帯びて来る。それからすべての事件が
吉兆として思い出されて来る。彼らは競漕に勝ったよりも、競漕に勝ったことを語るのを....
「物理学の要用」より 著者:福沢諭吉
妄説に惑溺して、事物の真理原則を求むるの鍵を放擲したるの罪なり。天文をうかがって
吉兆を卜《ぼく》し、星宿の変をみて禍福を憂喜し、竜といい、麒麟《きりん》といい、....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
たいというものがきて待っていようとは……。 これぞこの上なき、初代様の御加護と
吉兆をおぼえて、満面を喜悦の微笑にほころばしながら圓朝は、母親の持ってきてくれた....
「頭上の響」より 著者:北村四海
して打消されない、矢張何か一種の神秘作用としか思われないのである、如何いうものか
吉兆の方は無い――尤も私の今日までの境遇上からでもあろうが――が奇妙に凶事に関し....