吉原[語句情報] » 吉原

「吉原〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

吉原の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
てたりしている。中にいる人間は、皆酔っているらしい。幕の間から、お揃いの手拭を、吉原《よしわら》かぶりにしたり、米屋かぶりにしたりした人たちが「一本、二本」と拳....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
さには気がつかなかった。 やがて寛文十年の春が来た。求馬はその頃から人知れず、吉原の廓《くるわ》に通い出した。相方《あいかた》は和泉屋《いずみや》の楓《かえで....
「少年」より 著者:芥川竜之介
所深川《ほんじょふかがわ》はまだ灰の山ですな。」 「へええ、そうですかねえ。時に吉原《よしわら》はどうしたんでしょう？」 「吉原はどうしましたか、――浅草《あさ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
所は、何の見物にも、つい足踏をした事の無いのが多い。が、その人たちも、誰も会場が吉原というのを厭わず、中にはかえって土地に興味を持って、到着帳に記いたのもある。....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
そこで夏中の事件を問い糺すので、僕はある程度まで実際のところを述べた。それから、吉原へ行こうという友人の発議に、僕もむしゃくしゃ腹を癒すにはよかろうと思って、賛....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
でも鯨屋をしています。 それから東京市の街燈を請負って、初めて設けたのは、例の吉原の金瓶大黒の松本でした。燈はランプで、底の方の拡がった葉鉄の四角なのでした。....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
類異形が踊って出でた。 狐が笛吹く、狸が太鼓。猫が三疋、赤手拭、すッとこ被り、吉原かぶり、ちょと吹流し、と気取るも交って、猫じゃ猫じゃの拍子を合わせ、トコトン....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
子を売って一手踊ったり、唄ったり、と同じ格で、ものは違っても家業の愛想――盛場の吉原にさえ、茶屋小屋のおかっぱお莨盆に飴を売って、爺やあっち、婆やこっち、おんじ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ふざけるのだ、きりきりきょうでえをだしておかねえか。」（○註に、けわい坂――実は吉原――近所だけか、おかしなことばが、うつッていたまう、）と洒落れつつ敬意を表し....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ますわ。お分りにならない筈……」 と無雑作な中腰で、廊下に、斜に向合った。 「吉原の小浜屋（引手茶屋）が、焼出されたあと、仲之町をよして、浜町で鳥料理をはじめ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
暮近い集金の天保銭……世に当百ときこえた、小判形が集まったのを、引攫って、目ざす吉原、全盛の北の廓へ討入るのに、錣の数ではないけれども、十枚で八銭だから、員数お....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
世の飛躍的な推移は驚愕の外はない。瓦斯の入来したのは明治十三、四年の頃で、当時｜吉原の金瓶大黒という女郎屋の主人が、東京のものを一手に引受けていた時があった。昔....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
を見てるようだ。いいえ薬にも及ばない、もう可いんです。何だね、ここは二上屋という吉原の寮で、お前さんは、女中、ああ、そうして姉さんはお若さん？」 「はい、さよう....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
そのまま焼酎火が燃えそうなのが、みな女筆だからおもしろい。 中に、浅草だの、新吉原だの、女郎だのという字は、優しく柔かにしっとりと、間違いなくかいてある。どう....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
前でピヤノを弾奏した、というよりは叩いた最初の日本人であろう。（このピヤノは後に吉原の彦太楼尾張屋の主人が買取った。この彦太楼尾張屋の主人というは藐庵や文楼の系....