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吉祥天
「吉祥天〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吉祥天の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
、勢至、文殊、普賢、虚空蔵などある。それから天部という。これは梵天、帝釈、弁天、
吉祥天等。次は怒り物といって忿怒の形相をした五大尊、四天、十二|神将の如き仏体を....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
れて、顔中の筋肉を、妙に硬《こわ》ばらせた。
「拙者、今夜は、いかなる幸運か――
吉祥天女《きっしょうてんにょ》が天下《あまくだ》ったような気がして、とんと、気も....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
ほほう。第一は目黒の応法寺。酒買い観世音菩薩木像一体。第二は品川の琥珀寺。これは
吉祥天女像、第三は葛飾の輪廻寺の――」 「まあ、後でゆっくり読んで、案を練るがい....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
立ちかかる。 いや、御先達、お山伏は、女たちとここで一献お汲みがよいよ。 朱の盤
吉祥天女、御功徳でござる。(肱を張って叩頭す。) 亀姫 ああ、姥、お前も大事ない....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
こと、御目ざしの美しさ、……申さんは恐多い。ただ、西の方遥に、山城国、浄瑠璃寺、
吉祥天のお写真に似させ給う。白理、優婉、明麗なる、お十八、九ばかりの、略人だけの....
「夜の靴」より 著者:横光利一
と縁側へ転がして、また黙ってすたすた帰っていった。いつも頬がぼっと赭く、円顔で、
吉祥天のような胸のふくらみ、瑞瑞しい新鮮な足首だ。 参右衛門の家の長男の嫁は、....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
はあるかと訊くところのタタミ、ハラキリ的西洋人はうっかりと東洋天国を夢想して今に
吉祥天女在世の生活にあこがれ、日本人はことごとく南宋的山水の中で童子をしたがえて....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
う仏像や、その他のものにも当時の美女の面影をうかがう事が出来る。上野博物館にある
吉祥天女《きっしょうてんにょ》の像、出雲《いずも》大社の奇稲田姫《くしいなだひめ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
いところを取って、悪いところの省かれたような、そんな女はどこにもあるものですか。
吉祥天女《きちじょうてんにょ》を恋人にしようと思うと、それでは仏法くさくなって困....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ぐらいの時だろうといわれている。「眉引」は眉墨を以て眉を画くことで、薬師寺所蔵の
吉祥天女、或は正倉院御蔵の樹下美人などの眉の如き最も具体的な例である。書紀仲哀巻....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
いにこの物語に流れている情熱を棄てたなら、かえって原文の特色を失うにも至ろう。「
吉祥天女を思ひがけんとすれば、怯気づきて、くすしからんこそ佗しかりぬべけれ。」予....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
は、相好を崩してニタニタ笑いをしたが、
「素晴らしい美人でございますよ。たとえば
吉祥天女様のようで」
「いやいやそうではありますまい」
いよいよ金兵衛は面白く....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
いね。 八木で電車を降りるとき、五尺五寸ぐらいもあって肉づき美しく、浄ルリ寺の
吉祥天女そっくりの白いウリザネ顔のお嬢さんを見た。あの土地で、否、あの土地へ着い....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
るのである。 * 三月堂の壇上に置かれた諸像のうちでは、塑像の日光・月光菩薩像、
吉祥天像などが彫刻として特にすぐれている。しかしこれらは本来この堂に属したもので....