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「吉野〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

吉野の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
ことごとくアソコに繋《つな》ぐようになったのでございます。また秀吉の時代に切った吉野川は昔は大阪の裏を流れておって人民を艱《なや》ましたのを、堺と住吉の間に開鑿....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
れば、こんなに話がゆきつまるのではない。お互に心持は奥底まで解っているのだから、吉野紙を突破るほどにも力がありさえすれば、話の一歩を進めてお互に明放してしまうこ....
雛がたり」より 著者:泉鏡花
毛氈。ここで桐の箱も可懐しそうに抱しめるように持って出て、指蓋を、すっと引くと、吉野紙の霞の中に、お雛様とお雛様が、紅梅白梅の面影に、ほんのりと出て、口許に莞爾....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
も中形も大きいが、お三輪といって今年が七、年よりはまだ仇気ない、このお才の娘分。吉野町辺の裁縫の師匠へ行くのが、今日は特別、平時と違って、途中の金貸の軒に居る、....
深夜の市長」より 著者:海野十三
キリしない眼をこすりながら、外を見てみると、なんのことだ。円タクは丁度都合のよい吉野町通りへ滑りこんだところだったので、あわてて大声をあげ、車を停めさせた。 ....
自叙伝」より 著者:大杉栄
、全校の生徒が、修学旅行で大和巡りに出かけた。奈良から橿原神宮に詣でて、雨の中を吉野山に登って、何とかというお寺に泊った。第二期生だけがほかの宿で、第四期生と僕....
紅玉」より 著者:泉鏡花
ほど、美しい眺望はない。分けて今度の花は、お一どのが蒔いた紅い玉から咲いたもの、吉野紙の霞で包んで、露をかためた硝子の器の中へ密と蔵ってもおこうものを。人間の黒....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
上げて、ずずん、かたりと開ける、袖を絞って蔽い果さず、燈は颯と夜風に消えた。が、吉野紙を蔽えるごとき、薄曇りの月の影を、隈ある暗き葎の中、底を分け出でて、打傾い....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
ごとくに釣った、白看板の首を擡げて、屋台骨は地の上に獣のごとく這ったのさえある。吉野、高橋、清川、槙葉。寝物語や、美濃、近江。ここにあわれを留めたのは屋号にされ....
黒百合」より 著者:泉鏡花
。染色は、紅、黄、透、絞、白百合は潔く、袂、鹿の子は愛々しい。薩摩、琉球、朝鮮、吉野、花の名の八重百合というのもある。と若山は数えて、また紅絹の切で美しく目を圧....
寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
屋を始めてなかなか繁昌しました。写真師ではこの人の他に、北庭筑波、その弟子に花輪吉野などいうやはり奇人がいました。 次に、久里浜で外国船が来たのを、十里離れて....
秋の筑波山」より 著者:大町桂月
して来り攻むるに及び、大宝城陥りて政泰討死し、関城も陥りて宗祐父子討死し、親房は吉野に走れり。これより関東全く北朝に帰するに至りぬ。 大宝沼の北端、三方水に囲....
あのころ」より 著者:上村松園
でも人物画が好きで、小さいころから人物ばかり描いていました。 それで同じ町内に吉野屋勘兵衛――通称よしかんという絵草紙屋がありましたので、私は母にねだって江戸....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
、九里も男の足について歩きました。歩いては写生し、写生しては歩くのです。ある時は吉野の山を塔の峰の方まで、三日間、描いては歩く旅行をしました。家に帰ると流石に足....
古事記」より 著者:太安万侶
タカクラジによつて劒をお授けになり、尾のある人が路をさえぎつたり、大きなカラスが吉野へ御案内したりしました。人々が共に舞い、合圖の歌を聞いて敵を討ちました。そこ....