吉野桜[語句情報] » 吉野桜

「吉野桜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

吉野桜の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
阿部家の中屋敷に住んでいた。父蘭軒の時からの居宅で、頗る広大な構であった。庭には吉野桜八|株を栽え、花の頃には親戚知友を招いてこれを賞した。その日には榛軒の妻飯....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
晴らしゅうござんすよ。この辺に咲く山桜、あんなものじゃあありませんね。桃色大輪の吉野桜、それが千本となく万本となく、隅田の堤、上野の丘に白雲のように咲き満ちてい....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
風も厭 春陽が明々と地を照らしその地上では鳩の群が餌をあさりながら啼いていた。吉野桜が散ってきた。堂の横手芸人の背後に巨大な公孫樹が立っていたが、まだ新芽は出....
日記」より 著者:宮本百合子
をかけた茶色。朝、あざやかに色づいた柿の葉が、蒼空に実に目も覚めるばかり浮立ち、吉野桜の葉は遠くから見ると、紅葉のよう。秋の水の面、黄金色の葦、その周囲に紅葉し....
日を愛しむ」より 著者:外村繁
妻、素子が退院し、二ヵ月振りでわが家へ帰ったのは、四月中旬のことである。曇った日で、門前の吉野桜の花はすっかり散り落ち、枝には赤い萼が点々と残っている。素子は桜の梢の方へ....
落日の光景」より 著者:外村繁
を帯びた緑の嫩葉《ふたば》を拡げた。いかにも幼く、嫋嫋しい感じである。 門前の吉野桜も咲き始めた。昨日、私は末子に頼み、車中に持ち込める限りの大きい枝を切り取....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
。何かもっと健かな姿となり得ないものでしょうか。 大和の国の吉野は、誰も知る「吉野桜」を思い起させますが、この地名に因んだ品物は少くありません。世に聞えたもの....