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同前
「同前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
同前の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ちは、驚いたと申しましょうか。慌《あわ》てたと申しましょうか。まるで放心したのも
同前で、べったりそこへ腰を抜いたなり、ちょうど嵐の海のように右にも左にも屋根を落....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
にそれを拾った。 「そんな物で身受けが出来る代物なら、お前はそこらあたりの達磨も
同前だア」 「どうせ達磨でも、憚りながら、あなたのお世話にゃアなりませんよ――じ....
「地中魔」より 著者:海野十三
ように、一人でバタバタ跳ねかえっている。 「崩れた箇所はあのままにしておいて、一
同前進!」隊長は勇ましい号令を下した。 だッだッだッと、一行は小さく固まって、....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、二時三十五分、礼拝堂を他の三人とともに出て自室に入る。
オリガ・クリヴォフ(
同前)
ガリバルダ・セレナ(
同前)
オットカール・レヴェズ(
同前)
田郷真....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
論派より充実したるものはあらず、学理と実際とに照らしてその説を立てしかして首尾不
同前後撞着の弊少なかりしは、実にこの論派を然りとなす、改進論派の吟味はここに止め....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
、五両一の下金貸、貧乏人の喉を搾めて高利を貪り仕上げた身代、貯るほど穢くなる灰吹
同前の貴公達の金だ、仮令借りても返さずには置かないのに、何だ金比羅詣り同様な銭貰....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
であろうとの厳重な口達をうけて引き下がって来る。その権威に恐怖するあまり、人民一
同前後を熟考するいとまもなく、いったんは心ならずも官有林のお請けをしたのであった....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
イみんな。元気を出せ」と警部が低いが底力のある声で云いました。「この機に乗じて一
同前進ッ」 警部は左手をあげて合図をすると、自ら先頭に立ってソロソロと匍い出し....
「死者の書」より 著者:折口信夫
の物足らぬ、大きな穴のあいた気持ちは、其で、するのだ。おれは、此世に居なかったと
同前の人間になって、現し身の人間どもには、忘れ了されて居るのだ。憐みのないおっか....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
を潤らす露原早く起き出でつつ吾も裳裾潤らさな 〔巻十一・二三五七〕 柿本人麿歌集
同前。朝早くお帰りになるあなたの足結を潤らす露原よ。私も早く起きてその露原で御一....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
苦艱難したであろう、この文治もの、そちに劣らぬ難儀はしたが、天日に消ゆる日向の雪
同前、胸も晴々したわい、おゝ斯様な悦ばしい事は……」 と鬼を欺く文治もそゞろに....
「花咲ける石」より 著者:坂口安吾
吉の門人は出ると負け、すべて一撃に打ち倒されて、師匠同士の対戦となったが、これも
同前、ひとたまりもなかった。 未熟者は身の程をわきまえない。相手を侮って不覚を....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
と同時に紋也の姿が、武者窓からさしていた夕陽を散らして、奔然として飛び出したが、
同前に続けざまに竹刀の音が、二つ小気味よく響き渡った。半円の最左翼に構え込んでい....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
を持ち鼻はない。撞木|鮫という魚に似ているがやはり色は真白できみが悪い、これらも
同前の感じである。 ぞべらも、その撞木娘もともに多く美装した娘であるが、これが....
「四つの都」より 著者:織田作之助
ら、御案内しますわ」 庄平「恐縮ですね」 初枝(生徒に向って)「前へ進め!」 一
同前進する。 初枝、庄平が傘をさしているのを見て、くす/\笑う。生徒も同様。前方....