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同室
「同室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
同室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
なかった。若《も》し又多少でも僕等の間に不評判になっていたとすれば、それはやはり
同室だった菊池寛の言ったように余りに誰にもこれと言うほどの悪感を与えていないこと....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
い得たことを、無上の光栄のように欣んでいた。 青木が、近藤家に寄寓して、雄吉と
同室に起臥することになったのは、それから間もなくのことであった。今までもそうであ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
はいまT市会に断然勢力を有する議長候補の動坂三郎の名が、図らずも、怪しいホテルに
同室する闇の女の口から出たので驚いた。そして今宵「深夜の市長」の土窟の近くで見た....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
窓という窓には厳重な鉄格子が嵌っていた。そしてこの不潔な小室には、少年が二人まで
同室しているのだった。 母親お鳥が今まで一度も僕をこんなところに入れると云った....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
ように同じ状況を再演した。強いて相違の個所を挙げるならば、こんなことになる。 一
同室に就寝していた女給は、前回と同じ顔触れの鈴江、お千代、とし子の三人と外に清子....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
ら、拳銃の入ったサックを下ろして、胸に、斜に懸けた。それから、鉄冑を被り直すと、
同室の僚友に、軽く会釈をし、静かに扉を開けて出て行った。 闇に蠢くもの 「....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
りがはげしくて、かねがね他人と寝室を共にするのを避けているのに、よりによって楓と
同室か、でなければ襖一つである。いかに女は嫌いとはいえ、いやそれだけに一層鼾や歯....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
うしたものか、声が消えてしまった。 僕は、魚戸の声に、元気をとり直した。そして
同室の二人を促して、ふたたび展望室へ駈けあがっていったのである。 難航 ....
「沈没男」より 著者:海野十三
余の気が、船をハリッチの方へ持っていくように感ぜられて愉快である。 さっきは、
同室内に乗合わせているノールウェー船(シンガポール沖で撃沈された船)の乗組員にイ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
トンと動きだした。しかし鍛冶屋の大将はどうしたのか、車内に姿をあらわさなかった。
同室の人たちの顔には不安の色が浮かびあがった。 急造の防毒面 「どうしたん....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
続けざまにしたが、決然としてすっくと立った。 「ちょっと御挨拶を申上げます、……
同室の御婦人、紳士の方々も、失礼ながらお聞取を願いとうございます。私は、ここに隣....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
すっくと立って、日に焼けた面は瓦の黄昏るるごとく色を変えながら、決然たる態度で、
同室の御婦人、紳士の方々、と室内に向って、掠声して言った。……これなる窈窕たる淑....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
酒色を好まず、出たらめを云わず、身を処するに清白なる事、僕などとは雲泥の差なり。
同室同級の藤岡蔵六も、やはり謹厳の士なりしが、これは謹厳すぎる憾なきにあらず。「....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
んと畳んであった。僕はたった一人でいたかったのでいささか失望したが、いったい僕の
同室の人間は何者だろうという好奇心から、彼がはいって来たらその顔を見てやろうと待....
「審判」より 著者:カフカフランツ
とも私の厄介になっています。かなりの金を私から借りたことがあるからです。私たちが
同室したことに対する釈明については、少しでも辻褄が合うことならどんなことでも、あ....