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「同封〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

同封の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ものだと私どもは聞き及んでいる。ときっぱり書いて、その金額だけの為替《かわせ》が同封してあった。葉子が古藤を連れて横浜に行ったのも、仮病《けびょう》をつかって宿....
或る女」より 著者:有島武郎
は乳母とも定子とも断然縁を切るから以後他人と思ってくれ。もし自分が死んだらここに同封する手紙を木部の所に持って行くがいい。木部はきっとどうしてでも定子を養ってく....
新生」より 著者:島崎藤村
》てて、嫂に読んで聞かせても差支《さしつかえ》の無い手紙を書き、別に書いたものを同封した。その中に、彼は今まで節子に展《ひろ》げて見せたことの無い自分の心胸《お....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、それから一、二ヶ月後に、エスピノザはこういうフォスコロの書翰を受取ったのだが、同封の紙片に描かれたマッツオラタの器械化を見て、思わず一驚を喫してしまった。 ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
他界の人だ。不思議とマヌエラには一滴の涙もでなかった。 彼女はなかに、もう一通同封されている英軍測量部の手紙をとりあげた。 敬愛するお嬢さま――同封の書信を....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ざわざその写しを半蔵のもとに送って来たのであった。別に、次ぎのような来状の写しも同封してある。 五月十一日付 下の関より来状の写し 「昨十日異国船一....
」より 著者:島崎藤村
味を認めて、お雪に渡した。お雪は名倉の母へ宛てた手紙の中へこの妹に書かせたものを同封して送ることにした。 名倉の母からは、お福が行って世話に成るという手紙と一....
三十歳」より 著者:坂口安吾
ったんだ、私は当時を追憶して、思いは切なく澄むばかりです。(下略) 手紙の中に同封して、何かのお役に立てば、と、写真が一枚はいっていた。M氏の下宿の窓から矢田....
巷談師」より 著者:坂口安吾
る。 弟子入り志望の手紙は共産党と同じぐらい長文で、返信切手や自分名宛の封筒を同封しておくという用心深いのが通例だが、時々、不足税をとられることもある。弟子入....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
くなって五日目に、一助から手紙をもらった。達筆な代筆で一ヶ月後に帰るとあり、十円同封してあった。ところが一月すぎても一助は帰らない。お腹の子はそろそろ生れそうに....
次郎物語」より 著者:下村湖人
い。すべては君の責任において解決してもらいたい。」 とだけ書いて、道江の手紙を同封した。道江あてのもきわめて簡単だった。 「お手紙拝見。ご胸中同情にたえません....
光は影を」より 著者:岸田国士
簡単な文句と、たどたどしい母の繰り言と、妹や弟の、その時の都合での紋切型の挨拶が同封してあつた。 父は小学校の校長を停年でやめて、それまで郷里に持つていたいく....
母と娘」より 著者:岡本かの子
ネットを連れて巴里へ帰って行くという計劃なのである。名刺型のイボギンヌの写真まで同封してあった。 此のハイキング・クラブは英仏伊独等の青年男女を会員とする国際....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
。見ると、逢いたいから来訪するようにとのことであって、ご丁寧にも阪神電車の切符が同封してあった。 そこで僕はお訪ねした。 「ねえ国枝君、松竹を出るのは考えもの....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
ページのところが折ってあッた。 松波博士は胸を轟かせながら遺書を開封した。 「同封の書面をお読み下すったならば、私の申上げることの偽りでないことがお分りになり....