同業[語句情報] » 同業

「同業〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

同業の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
きょうこう》が来ている。現に賢造の店などでも、かなり手広くやっていた、ある大阪の同業者が突然破産したために、最近も代払《だいばら》いの厄に遇った。そのほかまだ何....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
しょう。しかも文科大学だ。僕も君も似たような商売をしている人間です。事によると、同業組合の一人かも知れない。何です、君の専門は?」 「史学科です。」 「ははあ、....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
と唱えられるに至ったのである。この改訂の命名者は、ドレゴ記者と仲よしの隣人である同業の水戸宗一君であった。 一体どうして巨船ゼムリヤ号が発狂したのか、また地球....
水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
て、ともかくも今夜一夜を凌ぐ画策を定めた。 自分は猛雨を冒して材木屋に走った。同業者の幾人が同じ目的をもって多くの材料を求め走ったと聞いて、自分は更に恐怖心を....
映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
ったりして、その収容力はまことに微々たるものである。 それにこれらの各会社でも同業者に対する遠慮から、そういう種類の人たちはなるべく雇い入れない方針をとってい....
去年」より 著者:伊藤左千夫
響いたにしたところで、松原越しに遠浦の波の音を聞くくらいに聞いたであろう。府下の同業者なども、これまで幾度かあった不景気騒ぎには、さいわいにその荒波に触るるの厄....
白妖」より 著者:大阪圭吉
て収まっていた。 「いま、クーペに逢ったろう?」 徐行しながら運転手が、向うの同業者へ呼びかけた。 「逢ったよ。有料道路の入口だ!」 そう叫んで、笑顔を見せ....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
之介さん、あの文士の。」 H屋の若主人は(好いお連れ様で)と云わんばかりにやや同業者の葉子達の方を見た。 「ほう。」 葉子の良人は無心のように云ったが、葉子....
征服の事実」より 著者:大杉栄
言』を借りれば、「ギリシャの自由民と奴隷、ローマの貴族と平民、中世の領主と農奴、同業組合員と被雇職人」はすなわちこれである。そして近世に至って、社会は、資本家て....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
をいかにして今夜のうちに費い果たすかについて頭をひねることとなった。 「そうだ、同業の魚戸氏に挨拶していってやろう」 魚戸氏は、僕と同じく報道員である。だが彼....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、世渡は煩かしい。が近頃では、女房も見張りに馴れたし、亭主も段々古本市だの場末の同業を狙って、掘出しに精々出あるく。 ――好い天気の、この日も、午飯すぎると、....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
ばかり伺いまして、お療治はいたしません、と申すが、此屋様なり、そのお座敷は、手前同業の正斎と申す……河豚のようではござりますが、腹に一向の毒のない男が持分に承っ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
台があって、瀬戸の大鉢に松が植っています。一本松ではありません、何とかいう待合、同業の家だった。目の下が、軒並の棟を貫いて、この家の三階へ、切立てのように掛けた....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
様は気障だけれども、大層な奉りようなんですとさ。 柴山運八といって、近常さんと同業、錺屋さんだけれども、これは美術家で、そのお父さんというのが以前後藤彫で、近....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
しさ、全くほっと肩の荷をおろした。契約高は百斤三十二円で非常な利益になったから、同業者のなかでも『安治川の栄吉は切れる!』と一躍名をあげたものである。 抜けが....