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同業者
「同業者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
同業者の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
きょうこう》が来ている。現に賢造の店などでも、かなり手広くやっていた、ある大阪の
同業者が突然破産したために、最近も代払《だいばら》いの厄に遇った。そのほかまだ何....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ろ》くべき詳細なる報告に接した。いいかね」 とホーテンスは腕組みをして、二人の
同業者の顔を見渡し、 「……事件の日から三週間前のことだが、ゼムリヤ号に相違ない....
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
て、ともかくも今夜一夜を凌ぐ画策を定めた。 自分は猛雨を冒して材木屋に走った。
同業者の幾人が同じ目的をもって多くの材料を求め走ったと聞いて、自分は更に恐怖心を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
極めた約束というでもなくて、まずそのままになっているうちに、甲州屋では今度京橋の
同業者の店から嫁を貰う相談がまとまって、この九月にはいよいよ婚礼をすることになっ....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
ったりして、その収容力はまことに微々たるものである。 それにこれらの各会社でも
同業者に対する遠慮から、そういう種類の人たちはなるべく雇い入れない方針をとってい....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
響いたにしたところで、松原越しに遠浦の波の音を聞くくらいに聞いたであろう。府下の
同業者なども、これまで幾度かあった不景気騒ぎには、さいわいにその荒波に触るるの厄....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
て収まっていた。 「いま、クーペに逢ったろう?」 徐行しながら運転手が、向うの
同業者へ呼びかけた。 「逢ったよ。有料道路の入口だ!」 そう叫んで、笑顔を見せ....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
之介さん、あの文士の。」 H屋の若主人は(好いお連れ様で)と云わんばかりにやや
同業者の葉子達の方を見た。 「ほう。」 葉子の良人は無心のように云ったが、葉子....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、山和尚 潘なにがしは漁業に老熟しているので、常にその獲物が多かった。ある日、
同業者と共に海浜へ出て網を入れると、その重いこと平常に倍し、数人の力をあわせて纔....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
って置いてもやがて自然に分ることだ。それよりも今夜は豪華なものだった。行き逢った
同業者は必ず捉えて席を一緒にし、高く盃をあげてお互いの幸運を祈り合った。何十人だ....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
席芸人に似合わず、文学絵画の素養あり、風采もよろしく、人物も温厚着実であるので、
同業者間にも大師匠として尊敬されていた。 明治十七、八年の頃とおぼえている。速....
「白髪鬼」より 著者:岡本綺堂
んですが、早い子持ちで、廿三の年にわたしを生んだのだから、去年は五十二で、土地の
同業者間ではまずいい顔になっている。そのおかげで私もまあこうしてぶらぶらしていら....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
から雨が多くて、寒い日がつづいた。なんといっても、近江屋は土地の旧家であるから、
同業者は勿論、町内の人々も祝いに来て、二、三日前から混雑していた。いよいよ輿入れ....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
メッキリ得意も附いて、近辺の大店向きやお屋敷方へも手広く出入りをするので、町内の
同業者からはとんだ商売|敵にされて、何のあいつが吉新なものか、煮ても焼いても食え....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
しさ、全くほっと肩の荷をおろした。契約高は百斤三十二円で非常な利益になったから、
同業者のなかでも『安治川の栄吉は切れる!』と一躍名をあげたものである。 抜けが....