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同穴
「同穴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
同穴の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
たが、それを通り過ぎてようよう脳天に達した時、覚えずあっと驚いた。――主人が偕老
同穴《かいろうどうけつ》を契《ちぎ》った夫人の脳天の真中には真丸《まんまる》な大....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
い、おれを思っているに違いない……ガ……そのまた思ッているお勢が、そのまた死なば
同穴と心に誓った形の影が、そのまた共に感じ共に思慮し共に呼吸生息する身の片割が、....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
うちに自分のシャン振りと負けず劣らずの、ステキ滅法界もない玉の如き美少年と、偕老
同穴の契を結ぶ事になっているのだ。そこで吾輩のこの世に於ける用事もハイチャイを告....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
然、まことに止むを得ないところで、エイ子にはビー子とシー子の存在を秘密にして偕老
同穴を誓っている。ビー子にはエイ子とシー子の事に就いて口を拭うて共白髪を誓う。シ....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
んにして正しく清く、死ねば陰気盛んにして邪に穢れるものだ、それゆえ幽霊と共に偕老
同穴の契を結べば、仮令百歳の長寿を保つ命も其のために精血を減らし、必ず死ぬるもの....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
に執行すべし。 一、死体は焼きて能く骨を拾い、牧塲に送り貯えて、卿が死するの時に
同穴に埋め、草木を養い、牛馬の腹を肥せ。 一、諸家より香料を送らるるあらば、海陸....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
である。「な思ひ、我が背」の口調は強いが、女らしい甘い味いがある。毛詩に、「死則
同穴」とあるのは人間共通の合致であるだろう。 ○ 安積山影....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
権利を害するものにして、固より同日の論に非ず。抑《そもそ》も一夫一婦家に居て偕老
同穴は結婚の契約なるに、其夫婦の一方が契約を無視し敢て婬乱不品行を恣にし他の一方....
「新女大学」より 著者:福沢諭吉
離れて新家を興すことあり。其事情は如何ようにても、既に結婚したる上は、夫婦は偕老
同穴、苦楽相共の契約を守りて、仮初にも背《そむ》く可らず。女子が生涯娘なれば身は....
「宝塚生い立ちの記」より 著者:小林一三
わして、これならいい、いわゆる良縁だというのであれば、その上に生ずる愛情は、偕老
同穴の契りを結ぶ人生の最後まで円満に行くものだと思っている。 ところが恋愛によ....
「瘤」より 著者:犬田卯
料亭で濃厚な情調――多分――を味わった経験の持主と来ている上に、村の長老株もまた
同穴の狢ならざるはなく、学校長、各部落の区長にいたるまで何らかの意味で瘤の息がか....
「活人形」より 著者:泉鏡花
「じゃ御苦労だが、願います。私どもは後にちっと用事があるから。といえば、もとより
同穴の貉にて、すべてのことを知るものなれば、銀平は頷きて、「へい宜しゅうございま....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
母として登子も未然に知っていたにちがいなく、赤橋殿もまた、知りつつ見のがしていた
同穴の狢か? とさえ極言する輩もないではなかった。 現にいま、この場で高時のこ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
でいたかもしれなかった。よく唐宋の詩人などが歌いあげている――比翼のちかいとか、
同穴のちぎり、鴛鴦の睦み――などという言葉にあたる永遠をかけた不変の愛とは、つま....