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同舟
「同舟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
同舟の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
視力の持主たちは、このウラル号を見て、ふしぎな感を懐くことであろう。これこそ呉越
同舟だというかもしれない。 だがそんな見方は、始めから誤っているのだ。今日とな....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
て乗れとすゝめる。
「如何だ、舟で渡って見ようか」
「えゝ、渡りましょう」
一
同舟に乗った。
川上を見ると、獅子飛び、米漉など云う難所に窘められて来た宇治川....
「旅愁」より 著者:横光利一
えていられる閑はなかった。いよいよカイロ行の一団は、千鶴子の組も真紀子の組も呉越
同舟で三台の自動車に分乗した。
そのとき矢代は最後に遅れて自動車に乗ろうとする....
「青年」より 著者:森鴎外
これを聞いている間は、純一もこれまで自分が舟に棹さして下って行く順流を、演説者も
同舟の人になって下って行くように感じていた。ところが、拊石は話頭を一転して、「こ....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
スケ探偵も、今頃はさぞおどろいているでしょうね」 「ふふン、まさか毒|瓦斯で呉越
同舟の無理心中をやらかすとは気がつかなかったろう」 碇が掌の中で壊した硝子のア....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
わっているのでもなく、完全な中立国であった。だから、リスボンの町は、いわゆる呉越
同舟というやつで、ドイツ人やイタリヤ人が闊歩しているその向うから、イギリス人やア....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
上らしいが……」 「火の玉」少尉は、どこまでも相手を呑んでかかった。 呉越
同舟 それから、この奇妙な日ソ組合せによる空中漂流がつづいた。 マイクロフォ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
すよ、つまりね、我々こうして、計らずも山中に棟を同じうして住んでいますとね、呉越
同舟《ごえつどうしゅう》といったようなものでしょう、ましておたがいに、今日まで見....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
い淡青色の一団となって消えうせようとするころ、海上風光の鑑賞にようやく飽き果てた
同舟の若干は、物見《ものみ》高くも東洋人の周囲に蝟集《いしゅう》し、無人島探険に....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
書記官長、愛媛県知事)の命令で、労使ともに検束されてしまった。留置場はまさに呉越
同舟、敵も味方も一しょくたにされていたが、そのおかげで留置場内で話がまとまり、争....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、お急ぎの先まで、舟でお送り申しましょう」 と、すすめた。 帰りの小舟の中。
同舟という言葉があるが、ひとつ舟に身を託すとなれば、いやでもお互いに心の溶けあう....
「三国志」より 著者:吉川英治
孔明はあらためて孫権に暇を告げ、その日、すこし遅れて一艘の軍船に身を託していた。
同舟の人々は、みな前線におもむく将士である。中に、程普、魯粛の二将もいた。 程....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
しかない想いをやむなくするのである。さしずめ読者は長江の乗客であろうか。なんとも
同舟のご辛抱こそ感謝にたえない。(三四・九・五) 私は小説家だが、どうも今日は....