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「同音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

同音の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ゆかた》の片袖《かたそで》がない」 談ここに到《いた》りて、甲と乙とは、思わず同音に嗟《うめ》きぬ。乗り合いは弁者の顔を※《うかが》いて、その後段を渇望せり。....
婦系図」より 著者:泉鏡花
蔦さん。」 「姉さん、私は恥かしい。」 「もう……」 「ああ、」 思わず一所に同音に云った。 「写真なんか撮るまいよ、」――と。 二十三 お妙....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
手なる白珊瑚の椅子に凭る。騎士五人廻廊まで登場。 騎士一同 (槍を伏せて、裾り、同音に呼ぶ)若様。 公子 おお、帰ったか。 騎士一 もっての外な、今ほどは。 公....
大空魔艦」より 著者:海野十三
そのまま矢のように海中に沈んでいった。 「あっ、隊長、危い!」 隊員たちが異口同音に叫んで、手で眼を蔽ったとき大月大佐の巨体は、もんどりうって氷上に転がった。....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
五郎 何と唄う? 鯉七 ==山を川にしょう==と唄おうよ。 蟹五郎 面白い。 と同音に、鯉はふらふらと袖を動かし、蟹は、ぱッぱッと煙を吹いて、==山を川にしょう....
紅玉」より 著者:泉鏡花
やら。(と独楽を懐にして、立並ぶ)――風吹け、や、吹け。山の風吹いて来い。――(同音に囃す。) 画工 (あおりたる児の手を離るると同時に、大手を開いて)こうなり....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
燕、一羽気まぐれに浮いた鴎が、どこかの手飼いの鶯交りに、音を捕うる人心を、はッと同音に笑いでもする気勢。 春たけて、日遅く、本所は塵の上に、水に浮んだ島かとば....
露肆」より 著者:泉鏡花
らなそうに噴飯したれば、苦虫と呼ばれた歯磨屋が、うンふンと鼻で笑う。声が一所で、同音に、もぐらもちが昇天しようと、水道の鉄管を躍り抜けそうな響きで、片側|一条、....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
を払って胸の上に銀のメダルを掛けた。未荘の人は皆驚嘆した。これこそ柿油党(自由と同音、柿渋は防水のため雨傘に引く、前の黄傘格に対す)の徽章で翰林を抑えつけたんだ....
取舵」より 著者:泉鏡花
合は悲鳴して打騒ぎぬ。八人の船子は効無き櫓柄に縋りて、 「南無金毘羅大権現!」と同音に念ずる時、胴の間の辺に雷のごとき声ありて、 「取舵!」 舳櫓の船子は海上....
多神教」より 著者:泉鏡花
知らない。 ――「平に一同、」「一同|偏に、」「押して伺い奉る、」村人らも異口同音にやや迫りいう―― 巫女 知らぬ、とおっしゃる。 神職 いや、神々の道が知れ....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
諾したるに、かかる事柄は固より行わるべきに非ず。その事の知れ渡るや各国公使は異口同音に異議を申込みたるその中にも、和蘭公使のごときもっとも強硬にして、現に瓜哇に....
三枚続」より 著者:泉鏡花
、」 「光!」と堪りかねて大人と後室、一は無法者を、一は小間使を、ほとんど同時に同音に叱咤した。 小間使こそ、膝は犯される、主人には叱られる、ばたばたと身を悶....
妖怪学」より 著者:井上円了
識らずこれと同一の挙動を現ずるに至るなり。例えばここに十人ありて、その中の九人、同音同調にある一詩を朗吟するときは、その他の一人は知らず識らず微声を発して、これ....
迷信解」より 著者:井上円了
ど、あまりはなはだしき不合理なることは改むるがよろしい。また普通の場合にも、死と同音なるかどにて四の数を忌むがごときは、別に利害のなきことなれば、従来の風習に任....