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「同風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

同風の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
。「か」の字川の瀬の中に板囲《いたがこ》いをした、「独鈷《とっこ》の湯」と言う共同風呂がある、その温泉の石槽《いしぶね》の中にまる一晩沈んでいた揚句《あげく》、....
満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
り》は顔を見合せて苦笑しながら小屋を飛び出して、四半丁《しはんちょう》ほど先の共同風呂まで行って、平気な風にどぼりと浸《つか》った。 風呂から出て砂の中に立ち....
山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
俗に魔がさしたとでもいうのであろう。伊勢の天鈴堂という大流行の灸点師の合宿所の共同風呂で、東京から神経痛を治療しに来ている理髪職人の甘川吉之介とタッタ一度、あや....
白い蚊帳」より 著者:宮本百合子
。――誰か訊く人はないか――訊いて見よう」 「大丈夫よ、じゃあ此方」 一つの共同風呂の窓が開いていた。強い硫黄の香が漂い、歩きながら人気ない幾つもの湯槽が見下....
災難雑考」より 著者:寺田寅彦
の跳梁のために、庶民の安堵する暇が少ないように見える。 災難にかけては誠に万里同風である。浜の真砂が磨滅して泥になり、野の雑草の種族が絶えるまでは、災難の種も....
十二支考」より 著者:南方熊楠
も情なや、もの言わねば腹|膨《ふく》るるなど理窟を付けて喋《しゃべ》りたきは四海同風と見えて、古ギリシアにもフリギア王ミダスの譚を伝えた。アポロ大神琴を弾じ羊神....
第四次元の男」より 著者:海野十三
夏のことであったが、わたくしは勤めから戻って、一日の汗を、アパートのどろくさい共同風呂の中に洗いおとし、せいせいとした気持になって糊のかたくついた浴衣を身体にひ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
告発サルルニ到リシ事アリ、コレハ既ニ見ラレタル上ハト焼ケ糞ニナル事ト存候(印度モ同風アリ、賤民ガ死人ノ中ニ臥セル所ヘ、方術ヲ修メニ行キシ王女ガ既ニ裸体ヲ見ラレタ....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
まる事を楽しんで居た、河原の湯は昔とは違って改造され、一浴五銭ずつ取って大きな共同風呂になって居る、その熱度と新鮮味とが他の何所の湯よりも肌に爽《さわやか》であ....
小春」より 著者:国木田独歩
のであるから、もしこの詩人の詩文を引いて対照すれば、わが日本国中数えきれぬほどの同風光を見いだすだろう。 ただ一|言する、『自分が真にウォーズウォルスを読んだ....
風呂供養の話」より 著者:田中貢太郎
は、それから間もなくであった。そのために其の部落では、各戸にあった風呂を廃して共同風呂を設け、そこで入浴することになった。 共同風呂を設けた処は、酒や雑貨を商....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、神陰とひとしく、そもそも白虎和尚の禅機から発足していて、剣気と禅妙の味通、生死同風の悟徹の底から生まれているだけに、あざやかなる剣を舞わす派手技よりは、まずも....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
ったのもあまり古いことではない。私などの小学校にいる頃までは、年始状には必ず千里同風という言葉を使わせられた。国の四方の端々まで、ちょうどこの同じ時刻に、人が互....